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剃り
「剃り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剃りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のその眉が似ていると思ったから。―― もっとも河野は、綺麗に細眉にしていたが、
剃りづけませぬよう、と父様の命令で、近頃太くしているので、毛虫ではない、臥蚕であ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
いあった。――尼僧というが、低い声音に似ず、庵主は意外にもまだ年齢若い女だった。
剃りたての綺麗な頭に、燭台の灯がうつって、チラチラと動いた。 「実は僕は、さきほ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
生活を保障して貰うのを交換条件として、笛吹川の意志に従ったのです。笛吹川は顎鬚を
剃りおとし、髪かたちから風貌までを整えて笛吹川の死後、五日目に赤耀館へのりこんだ....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
ことはない膃肭獣のような真似をすること三分、ブルブルと飛び上って強い髭をすっかり
剃り落すのに四分、一分で口と顔とを洗い、あとの二分で身体を拭い失礼ならざる程度の....
「春昼」より 著者:泉鏡花
で、顔の色がいよいよ悪い。 或時、大奮発じゃ、と言うて、停車場前の床屋へ、顔を
剃りに行かれました。その時だったと申す事で。 頭を洗うし、久しぶりで、些心持も....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
いる。 彼は今朝、病院内の理髪屋で、のびきった髪を短く刈り、蓬々の髭をきれいに
剃りおとし、すっかり若がえった。だが、鏡に顔をうつしていると、久しく陽に当らなか....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
女は両眼をクワッと開いて、彼の方に、動物園の膃肭臍のように身悶えした。眉を青々と
剃りおとした女の眼は、提灯のように大きかった。 杜は、この女が気が変でないこと....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
に包まっているのを、そう言うと、主人はちょっと舌を出して黙って行く。 次のは、
剃りたての頭の青々とした綺麗な出家。細面の色の白いのが、鼠の法衣下の上へ、黒縮緬....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
皆目眼も呉れず頭をさげてひたすら歩いた。すれちがいに阿Qは突然手を伸ばして彼女の
剃り立ての頭を撫でた。 「から坊主! 早く帰れ。和尚が待っているぞ」 「お前は何....
「眉の記」より 著者:上村松園
すものである。 王朝時代は王朝時代でちゃんと眉に階級をみせていた。眉のひきかた
剃りかたにも、おのずとそのひとひとの身分が現われてい、同時にそれぞれ奥ゆかしい眉....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
来ない単調なこれらの出来事と手を切ってしまいたいと私に思わせた。 私は毎日顔を
剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた。頬にシ....
「京のその頃」より 著者:上村松園
があって、そこにおらいさんというお嫁さんがいた。眉を落していたが、いつ見てもその
剃り跡が青々していて、色の白い髪の濃い、襟足の長い、何とも言えない美しい人だった....
「四条通附近」より 著者:上村松園
そこに「おらいさん」というお嫁さんがいた。 眉を落としていたが、いつ見てもその
剃りあとが青々としていた。 色の白い、髪の濃い、襟足の長い、なんとも言えない美....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
くろと二人で蜆、蠣を剥いています、お福ッて、ちょいとぼッとりした蛤がね、顔なんぞ
剃りに行ったのが、どうした拍子か、剃毛の溜った土間へころりと落ちたでさ――兇状持....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
の様子を聞くと、雪の家のごしんぞは、気が狂ったろう、乳のまわり、胸に、六ところ、
剃り落しても
剃り落しても赤斑の毛が生える、浅間しさ、情なさに取詰めた、最後は、蜑....