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削ぐ
「削ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
削ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
ろに於て、なにかガタンガタンという騒々しい音をだした者がある。折角の楽しい気分を
削ぐ憎い奴だと思って、帆村は活動函から顔をあげてその方を見た。 音を立てている....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れから頤を地停という。……これを変えることに致しましょう」 皮膚を鞣す音、肉を
削ぐ音、骨を削る音が聞こえて来た。金属製の器類の、触れ合う音が聞こえて来た。歩き....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
スの大天井岳にどこか似ていると思いながら、喘ぎ喘ぎ登る、霧は大風に連れ、肉を截り
削ぐばかりの冷たさで、ヒューッと音をさせて、耳朶を掠めた、田村氏の帽子は、掠奪く....
「働くために」より 著者:宮本百合子
のが今日である。 どうせ日本服があるなら、羽織を何時でも着て、折角の着物の趣を
削ぐ風俗も少し改まればいいと思う。冬でも、おしゃれをしたときは、羽織なしがよい。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
を誘拐したのはやはり日興の仕業なのだと思う外はない。林の契約を妨害し、林の勢力を
削ぐためにやった仕事のようにも考えられるのだが、すると大金剛石の方はどうなる。ど....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
い絵はまだまだ沢山ある。展覧会に出品する画材は、前もって発表するということは興を
削ぐので、それだけは私の胸中にそれを制作する機運の来るまで発表は出来ないけれど、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
も燕尾に刎ね返したものらしい。さもなければこう鮮やかに、頸動脈を狙って、貝の肉を
削ぐように抉れている筈はない。 ――燕斬り! ふと、武蔵は、佐々木小次郎が得....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
廻すと、小さい土掻と、籠があった。彼はその土掻の刃で、土の上かわを三寸ぐらいずつ
削ぐように掻いて、籠へ土を盛りこんだ。 「七の火薬はべつだぜ」 と、仲間の者も....