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「剌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

剌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
|洋燈《ランプ》の光を囲んで、しばらく膳に向っている間《あいだ》に、彼の細君の溌《はつらつ》たる才気は、すっかり私を敬服させてしまいました。俗に打てば響くと云....
路上」より 著者:芥川竜之介
ら髪を割って、柄の長い紫のパラソルを持った初子《はつこ》が、いつもよりは一層|溌《はつらつ》と外光に背《そむ》いて佇《たたず》んでいた。俊助は閾《しきい》の上....
少年」より 著者:芥川竜之介
る時は大地の底に爆発の機会を待っている地雷火の心さえ感じたものである。こう云う溌《はつらつ》とした空想は中学校へはいった後《のち》、いつのまにか彼を見離してし....
高野聖」より 著者:泉鏡花
にかけて、手に一|尾《び》の鯉《こい》の、鱗《うろこ》は金色《こんじき》なる、溌《はつらつ》として尾の動きそうな、鮮《あたら》しい、その丈《たけ》三尺ばかりな....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ないようになり、フランス革命前後に優秀諸民族の間に自由主義革命が逐次実行され、溌たる個人の創意が尊重されて、文明は驚異的進歩を見た。 しかし、ものにはすべて....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
坐るかと思われたが、なんという意外、なんという不思議! 彼女は生れ変ったように溌として舞台の上を踊り狂った。 ウワーッ! という歓声、ただもう大歓声で、シャ....
地球盗難」より 著者:海野十三
水でもって、気持よさそうに身体を拭いているところだった。見たところ二十四、五の溌たる青年だった。 「ああ、そうですか。――しかし困りましたね。貴方の飛行機は壊....
地獄の使者」より 著者:海野十三
るが、これは剖検で確認した。しかし当人の生前の健康状態は頗る良好で、年齢の割に溌としていて、心臓麻痺を起しやすい症状にあったとは思われない……」 緊張して聞....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
た。 その盛会だったことは、呆れるばかりで、白木は始終鼻をうごめかしながら、溌たるお嬢さんや、小皺のある夫人たちに、あっちへ引張られ、こっちへ引張られして、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
防毒面こそ、肩から斜めに下げているが、行きずりの女事務員たちは、あいかわらず溌として元気な声をたてて笑っていたし、牝牛のように肥えたマダムは御主人にたくさん....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
にあこがるる、静の霊を、幻に感じた。 「あれは、鮭かい。」 すれ違って一人、溌たる大魚を提げて駈通ったものがある。 「鱒だ、――北上川で取れるでがすよ。」 ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
跫音で、トントンと踏む梯子段。 「いらっしゃい。」と……水へ投げて海津を掬う、溌とした声なら可いが、海綿に染む泡波のごとく、投げた歯に舌のねばり、どろんとした....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
に向ったが、彼の頭の中は薪駄っぽの事で一杯だった。五五の二十五と、まだ頭の中は亜比亜数字で混乱していた。彼は深く息を吸って、力強く吐き出してみた。これで頭の中....
栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
先生が〈寒山拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しました。古画より生気溌として大変に当時評判どした。それをな、直写しさして貰いましてな……それから御殿....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ずれかに消え去り、ただ植民の地にたちのぼる煙がとどまるのみである。) 七、伯爾珈園(南米) 伯南九月試海、緑波万頃是珈林。 (七、伯爾の珈園(南米) ブ....