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前任
「前任〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前任の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
て怖《こわ》くはないです」 「無論怖くはない、怖くはないが、乗ぜられる。現に君の
前任者がやられたんだから、気を付けないといけないと云うんです」 野だが大人《お....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
で逮捕するんだ」 署長と云うのは、つい一週間程前に堀留署から転任した人だった。
前任地では管内の博徒を顫え上らした人で、真っすぐな竹を割ったような気性の人で、よ....
「李陵」より 著者:中島敦
だ。同じ阿諛《あゆ》迎合《げいごう》を事としても、杜周《としゅう》(最近この男は
前任者|王卿《おうけい》を陥れてまんまと御史大夫《ぎょしたいふ》となりおおせた)....
「明治二十四、五年頃の東京文科大学選科」より 著者:西田幾多郎
、ケーベル先生が来られた。先生はその頃もう四十を越えておられ、一見哲学者らしく、
前任者とコントラストであった。最初にショーペンハウエルについて何か講義せられたよ....
「微妙な人間的交錯」より 著者:宮本百合子
ブル・スピーチで今日社が何十人かの人々を養って行くことが出来るのも偏《ひとえ》に
前任者某氏の功績である云々と述べた。今日に当って某誌が日本の文化を擁護しなければ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ないと、他人が勝手にはいることを許さなかった。ラインハルト夫妻は、小都市において
前任者にたいする新来者の義務を規定する田舎の慣例を、十分念頭においていなかった。....
「KからQまで」より 著者:寺田寅彦
二 ある会社のある工場に新たに就職した若い男が、就職後間もなく誰かから自分の
前任者が二人まで夭死をしたこと、その原因がその工場で発生する毒|瓦斯のためらしい....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
る。 この間も、群馬県の製糸所の所長さんが見えて、いろいろ話をしたが、その人の
前任者までは、朝の七時から晩の五時まで十二時間作業であって、しかも時計の針を二十....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
のも疑《うたが》わしくなる。また役所などで上官が代れば部下の者が後任者を迎うるに
前任者の棚卸《たなおろ》しをもってするは常にあることで、それほど宜《よ》くなけれ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
によって、幸福に暮せましたので、私はまず第一に神様に謝し、次には貴下並びに貴下の
前任者に厚く御礼を申し上げねばならぬ。自分の生涯は幸福であり、また自分の希望通り....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
、やたらに節約の実行をはじめた。まことに、面にくきことであったのである。つまり、
前任者が年に一万両の予算を費ったとすれば、次の年の役人は九千五百両で仕上げ、その....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ト・ハリスにして、ハリスは真実|好意を以て我国に対したりしも、後任のブライン氏は
前任者に引換え甚だ不親切の人なりとて評判宜しからず。小栗上野介が全盛の当時、常に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すと、現任大蔵大臣も帰って来られて「今日は沢山ロシアから荷物が着きました」という
前任大蔵大臣への話です。
「そりゃ何か」といいますと「少し憚る事がある」という。....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
まり、みんなは、どう考えていいかわからなくなった。いずれにしても、あのたくさんの
前任者がやったと同じようなへまを、彼もまたアイルランドでやったという程度の罪にす....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
たのである。ナポレオンは墺軍を刺戟する事を避くるため同地の兵力撤退を命令したが、
前任司令官の後任をもって自任していたマッセナは後輩の黄口児、しかも師団長の経験す....