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「前便〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前便の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
、倉地氏にもよろしく伝えてください。倉地氏に迷惑をおかけした金銭上の事については前便に書いておきましたから見てくださったと思います。願わくは神われらと共に在《お....
明暗」より 著者:夏目漱石
にも思った。 手紙は夫婦の間に待ち受けられた京都の父からのものであった。これも前便と同じように書留になっていないので、眼前の用を弁ずる中味に乏しいのは、お秀か....
散華」より 著者:太宰治
いません。 泣きたくなるようでもあるし、 しかし、 信じて頑張っています。前便にくらべると、苦しみが沈潜して、何か充実している感じである。私は、三田君に声....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、私ア南楼、橘平楼に係る詳細を庄司利喜太郎から聞かされ相約束しとります。其関係上前便封書にて、該家に係る戸籍謄本申請至急御下附を願う。先ずは取急ぎ葉書にて欠礼右....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
しまったが、あれは少し取消したい。実は、きょう、ちょっと珍妙な事件があったので、前便の不備の補足かたがた早速御一報に及ぶ次第なのだ。囀る雲雀、流れる清水、このお....
チャアリイは何処にいる」より 著者:牧逸馬
、なんらの音信がなかった。と、七月二十四日、犯人から第二の手紙がロス氏へ届いた。前便と同じ手蹟《しゅせき》で、 「チャアリイが俺たちの手にあるあいだ、おれたち....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なたのこわいろをつかったり、いろいろ芸当があるのです。そして、猫と遊ぶ。この猫は前便に書いた猫、ひどい好人物的猫で、猫を好かないものの家にいついてしまいました。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うは、うちの話が中途でポツンときれてしまいましたから、先ずそれをつづけましょう。前便で大抵書いたと思いますが、家はなかなか簡単にかわれません。アパートなども一応....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の香には実に感じ易いから、あんまり芳しいと気が遠くなりかかります。 きのうは、前便で話していたように会だらけの日でした。けれども私たちは中野さんにも骨を折らし....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
白より(封書)〕 一月二十五日 第八信 きのうは電報をどうもありがとう。前便を出しかたがた市場へ、小樽のおばあさんにあげる手袋を買いに行っていたあとにつ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
らか危険も少いわけです。 封緘のこと、出る前の日に送りました。 物のことは、前便にかきましたとおり。 島田川もこのお手紙の思い出はあどけない子供の永い夏の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かなか台所はキチキチです。 オリザビトンは今後は発売されないということは、もう前便でおわかりになったでしょうか。代りの薬として、ユガマンと言っていたのはどうも....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
紙で一つおとしたことを思い出し申上げます。 島田の方へお願いするということね、前便で御承知下すったとおりの有様で私たちとしては何とかまだやって見たいと思います....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いいわ。おそすぎました。間に合うかどうかの境です。しかし問題は寧ろ、口の方です。前便で申しあげました通り。一日一日とこのことが痛切となり、体力と経済力とのかけっ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
を放つようなことを君のほうでやりさえしなければ、僕ははじめから沈黙しているのだ。前便再読をのぞむ。これだけいって、いよいよ沈黙しよう。」 かれはつめたく微笑し....