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「前古〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前古の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
く自分の親友だといったようなふうで、古藤はもう木村君とはいわなかった。葉子はこの前古藤が来た時からそれと気づいていたが、きょうはことさらその心持ちが目立って聞こ....
幻談」より 著者:幸田露伴
のペーテル、一番終いがウィンパー、それで段※降りて来たのでありますが、それだけの前古《ぜんこ》未曾有《みぞう》の大成功を収め得た八人は、上《のぼ》りにくらべては....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
をかけ、やがて木小屋から運び出されることになった。多感な光景がそこにひらけた。生前古い青山の家にはもはや用のないような人間だとよく言い言いしたその半蔵も変わり果....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
羅《まんだら》の面影を大凡下《だいぼんげ》の筆にうつし見んとするにあり。この着想前古に無きものなれば、その画面絶後の輪郭を要すること是非無かるべきなり。読者、一....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
なき注意と、事件にあたってまず周囲の人を完全に欺《だま》す俳優的技能とは、まさに前古|未曽有《みぞう》のものといわれている。また彼は、犯罪史に、一つの秘密な「家....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
、ドイツ六百万、イギリス四百万、日本四十七万であった。日本の四十七万という数字は前古未曾有のものであるとして非常に驚かれたのであったが、昨今のいわゆる実数という....
レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
ほど数多く見せられたが、正直にいうと、最後まで馴染まなかった。尤も、ルーベンスは前古未曾有の流行児で、各国の宮廷貴族からいつも注文が殺到し、生涯に二千以上の作品....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
りましたので」顔色を見い見い訊いて見た。 「うん」と甲斐守は物憂そうにいった。「前古未曽有の大事件だ」 「いったいどんなことでございますな?」 「絶対秘密だ。い....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
が、彼らに、大事決行を誘発させ、院御所の夜襲、皇居の占領、天皇上皇の幽閉という、前古にない日本の暗夜と、殺戮を照らす劫火の巷とを、現出しました。 清盛は、早馬....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
出る証拠だろう。古本屋は少く、今では岩戸町の電車通りにある竹中一軒位のものだ。以前古本専門で、原書類が多いので神田の堅木屋などと並び称せられていた武田芳進堂は、....