前句[語句情報] »
前句
「前句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前句の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
んか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは
前句の解釈のためにつけたように聞こえた。 ところへ知らん人が突然あらわれた。唐....
「天狗」より 著者:太宰治
あつしあつしと門々の声 これが既に、へんである。所謂、つき過ぎている。
前句の説明に堕していて、くどい。蛇足的な説明である。たとえば、こんなものだ。 ....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
が馬はしのばずいなないて という付け合わせが例句として引用されている。その前に「
前句のすがたをうずたかく見いだしたる句に」という前置きがあり、後に「これ扇に夕が....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
不協和音のようなものが巧みに插入されているように思われる。一句として見ても、また
前句との付きぐあいから見ても、どうにもあまりぞっとしないと思われる句が七部集の中....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
「餅作るならの広葉を打ち合わせ」という付け句を「親と碁をうつ昼のつれづれ」という
前句に付けている。座敷の父とむすこに対して台所の母と嫁を出した並行であり、碁石打....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
は完結することが必要であるが連俳の平句は完結しないことが必要である。なんとなれば
前句と付け句と合わせてはじめて一つの完結した心像を作ることが付け句の妙味であるか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
編云々「公家《くげ》と武家とはふたかしらなり」「なべとりをかぶとの脇に飾りつけ」
前句に二頭《ふたかしら》とあれば、かぶり物を二つ取り合せ、武家冑、老懸公家と附け....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》みになった詩の中に、『一竿ノ風月、心ト違《たが》フ』という句がございます、その
前句は多分、『誤ツテ文王ニ載セ得テ帰ラル』とかございました、私の記憶と解釈が誤っ....
「断片(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
一 連句で附句をする妙趣は自己を捨てて自己を活かし他を活かす事にあると思う。
前句の世界へすっかり身を沈めてその底から何物かを握んで浮上がって来るとそこに自分....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
田君に「うすうすと曇りそめけり星月夜」の句を示す。傘雨宗匠善と称す。数日の後、僕
前句を改めて「冷えびえと曇り立ちけり星月夜」と為す。傘雨宗匠頭を振って曰、「いけ....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
久。花の生命がうつるのみ。 ざら/\と櫛にありけり花埃 みどり女 これは、又
前句の清浄な人間離れした境地と違い、花見の群衆のほこりっぽさをあびて、髪も櫛の歯....
「女流俳句を味読す」より 著者:杉田久女
い日の面影をほうふつとさせるものがある。 茸狩やゆんづる張って月既に しづの女
前句の調べの優雅さに比して、この句はまた張り切って強弓の如き表現である。私は茸狩....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
野坡 方々に十夜のうちの鉦の音 芭蕉 という有名な一続きがあるが、
前句が向いの亭主、受句が十夜だからこのから臼は、粉挽臼であることが察せられる。す....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
埋めてみるべし。 蟻の道○○○○○より続きけり 右の句の欠字を埋めること。注意
前句と同様。 生きて世に………………… 右上五字として、その他は自由に句作すべ....