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前夜
「前夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
見ず知らずの他国へ行くのは、どう考えて見ても寂しかった。だからいよいよ立つと云う
前夜、彼女は犬を抱き上げては、その鼻に頬をすりつけながら、何度も止めどない啜《す....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
ちの集めた義捐金の残額を投じて、諸君のために福引を行うことにした。
景品はその
前夜に註文《ちゅうもん》した。当日の朝、僕が学校の事務室へ行った時には、もう僕た....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
か》んになった。すると、また、それから一週間とたたないある朝の事である。その日は
前夜から雪が降りつづけて、窓の外にさし出ている雨天体操場の屋根などは、一面にもう....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《われめ》へ、白々《しろじろ》と月が射した。 茫《ぼっ》となって、辻に立って、
前夜の雨を怨《うら》めしく、空を仰《あお》ぐ、と皎々《こうこう》として澄渡《すみ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ながら、何か用を見つけてはわざとそこここを歩きまわっていた。 この海戦の始まる
前夜、彼は甲板を歩いているうちにかすかな角燈の光を見つけ、そっとそこへ歩いて行っ....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
加うるに低劣無慙なる茶番政治を見せつけられ、なおそのうえに腐敗の極ほとんど崩壊の
前夜ともいうべき官庁行政を見せつけられ、なおかつ戦意を失わないものがあればそれは....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
痛なのだ。人が聞いたらばかばかしいきわみな話だろうが、現にある事実なのだ。しかも
前夜僕は、来客との話の調子で大いに子ども自慢をしておったのだから滑稽じゃないか。....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
う新道は、崖くずれのために、全く道の塞った事は、もう金沢を立つ時から分っていた。
前夜、福井に一泊して、その朝六つ橋、麻生津を、まだ山かつらに月影を結ぶ頃、霧の中....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
には三ツ四ツ、もっとかと思う年紀上の綺麗な姉さん、婀娜なお千さんだったのである。
前夜まで――唯今のような、じとじと降の雨だったのが、花の開くように霽った、彼岸前....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
て身をやつす。 いや……と言ったばかりで、外に見当は付かない。……私はその時は
前夜着いた電車の停車場の方へ遁足に急いだっけが――笑うものは笑え。――そよぐ風よ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
らい恰幅のある、節くれだった若い衆でしたが……」 場所がまた悪かった。―― 「
前夜、ココココ、と云って小刀を出してくれたと同一処、敷居から掛けて柱へその西瓜を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
かしたが、繻子の帯をぎゅうと押えて呑込んだという風で、立直って片蔭に忍んだのは、
前夜|榎の下で、銀流の粉を売った婦人であった。 お雪は呼吸さえ高うはせず、気を....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
田に移り住んでいたようである。)広島の野砲隊、三カ月の補充兵役である。 入営の
前夜、広島の盛り場で見送りにきた父と二人で活動写真を見た。その写真は井上と水谷の....
「競馬」より 著者:犬田卯
こから渦巻き昇っていた。 彼は人混みを分けて柵に近づいた。煙草入のかますから、
前夜隣家から借りて切り抜いて取っておいた新聞の一片――そこには無論、昨日の勝負が....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
衆党の立候補者は“帝国主義戦争絶対反対”をスローガンとしてかかげた。ところが投票
前夜に社会民衆党の公認候補馬島※氏側が「満州を支那に返せという大衆党(浅沼)は国....