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前夫
「前夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
していた鏡台と箪笥は今なお庸三の部屋にあった。というのも北海道の結婚生活時代に、
前夫の松川と連帯になっている債務が、ここまで追いかけて来て、庸三の不在中、彼の卓....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
為に金でも出す時は己が着類を質入れしたり売り払ったりしても出す女であった。彼女の
前夫は親類仲で、慶応義塾出の男であった。最初は貨殖を努めたが、耶蘇を信じて外川先....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
女性を通じて、体格にかけては関脇は確かとの評あり。しかしその肥大も実は五六年前|
前夫|通武の病没したる後の事にて、その以前はやせぎすの色|蒼ざめて、病人のような....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
の有様だった。しかし、兎に角どうにか頑張り通して生延びた彼は、翌年、ファニイの・
前夫との離婚成立を待って漸《ようや》く結婚した。時にファニイは、スティヴンスンよ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
で困りおる内、その夫人に催眠術を掛けると俄《にわか》に「私は甲州の者で、百二十年
前夫に死に別れ、悲しさの余り比丘尼になり、世の中に亡夫に似た人はないかと巡礼中、....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
大正期に語る人で、明治の過去には名をつらねるだけであろうと思われる。 山県公の
前夫人は公の恋妻であったが二十有余年の鴛鴦《えんおう》の夢破れ、公は片羽鳥《かた....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た仕送りを大将はしていた。子供たちをも以前と同じように大事がって育てていたから、
前夫人の心は良人からまったく離れず唯一の頼みにもしていた。大将は姫君を非常に恋し....
「源氏物語」より 著者:紫式部
足がこの人から得られるのであった。左大将は月日に添えて玉鬘を重んじていった。もう
前夫人は断然離別してしまって尚侍が唯一の夫人であった。この夫人から生まれたのは男....
「源氏物語」より 著者:紫式部
かくも世間から公達と思われている人なども結婚の申し込みに来るのがおおぜいあった。
前夫人の生んだ二、三人は皆相当な相手を選んで結婚をさせてしまった今は、自身の姫君....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
ような雄大な気持になった。 そこで彼は征服にとりかゝる。侵略でもある。キヨ子の
前夫を退治るという意気込みであった。 自らも驚くほどの逞しい情慾であったが、キ....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
だと太郎は舌をまいて部屋へ入ったが、これを垣間見ておどろき悲んだのは母親の満江。
前夫|河津三郎が祐経に殺されたので曾我の太郎と再婚したが、一万箱王の二子(後の十....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
外はあるが、大部分が同じ店のマッチであった。 「ノクタンビュール」 たしか青木
前夫人の働いているバーである。店の名だけはきいていたが、彼はそこへ行ったことがな....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
った、ような気がする場合と同じ程度に茫漠として、捉えどころがない。 私の女房は
前夫との間に二人の子供がある。又、
前夫と私との中間には、幾人かの男と交渉があった....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
一人は静子夫人で、もう一人は、お嬢さんの巴絵さんである。 巴絵さんは、岩田君の
前夫人マリイさんの血をうけた岩田家の一人娘、第二の母、静子夫人との間に、いわゆる....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
り以上|夜更しをせぬ真剣な洒落ものだ相だ。前何々夫人が、これも新らしい妻を携えた
前夫に自分の携えた新らしい夫を紹介して居る。今、椅子の背に頭をもたせ、肥った独逸....