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「前後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
に呼びかけている。
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彼の手に持った一本の帯。帯は
前後左右に振られながら、片はしを二三尺現している。帯の模様は廓大《かくだい》した....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
重吉夫婦も大抵は十時には床に就くことにしていた。その後でもまだ起きているのは九時
前後から夜伽《よとぎ》をする看護婦の甲野ばかりだった。甲野は玄鶴の枕《まくら》も....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
目もやはり同じ事さ。また女がにっこりする。と思うと見えなくなる。跡《あと》はただ
前後左右に、木馬が跳《は》ねたり、馬車が躍ったり、然《しか》らずんば喇叭《らっぱ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
も下谷《したや》あたりの大地主で、彼が仏蘭西《フランス》へ渡ると同時に、二人とも
前後して歿《な》くなったとか云う事でしたから、その一人息子だった彼は、当時もう相....
「河童」より 著者:芥川竜之介
え、この地下の国の温度は比較的低いのにもかかわらず、(平均|華氏《かっし》五十度
前後です。)着物というものを知らずにいるのです。もちろんどの河童も目金《めがね》....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
度となく、変り易い世間の男心に、一切の原因を見出そうとした。が、男の来なくなった
前後の事情を考えると、あながちそうばかりも、思われなかった。と云って何か男の方《....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
。行長は翠金《すいきん》の帳《ちょう》の外に秘蔵の宝剣《ほうけん》をかけたなり、
前後も知らずに眠っていた。もっともこれは必ずしも行長の油断したせいばかりではない....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
こうこつ》の名の高い彼の頸《くび》はいかなる権威にも屈することを知らない。ただし
前後にたった一度、ある顔馴染《かおなじ》みのお嬢さんへうっかりお時儀をしてしまっ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
くの腕時計や背広までも売るようになって来ました。ではその金はどうしたかと言えば、
前後の分別《ふんべつ》も何もなしにお松につぎこんでしまったのです。が、お松も半之....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ある婦人雑誌社の面会室。
主筆 でっぷり肥《ふと》った四《し》十
前後の紳士《しんし》。
堀川保吉《ほりかわやすきち》 主筆の肥っているだけに痩....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
憎《あいにく》大した男ではない。北京《ペキン》の三菱《みつびし》に勤めている三十
前後の会社員である。半三郎は商科大学を卒業した後《のち》、二月目《ふたつきめ》に....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
と笑っていた。
「水母《くらげ》かな?」
「水母かも知れない。」
しかし彼等は
前後したまま、さらに沖へ出て行くのだった。
僕等は二人の少女の姿が海水帽ばかり....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
もムキになる赤木は「君には俳句はわからん」と忽ち僕を撲滅した。 丁度やはりその
前後にちょっと「ホトトギス」を覗いて見たら、虚子先生も滔滔と蛇笏に敬意を表してい....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
くれたので、自分がやって見せた。ファラデーの眼前で。まずその金属の一片をとって、
前後に曲げて見、それから液に漬け、指の間に入れて破って見た。この間ファラデーは黙....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
十八日―― 殺したい慾望がまだ骨の髄を走り※ってむずむずさせる。もっぱら二十歳
前後の若い者が悩まされる恋の情火のようだ。 十月二十日―― また一人|殺った....