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「前月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
に障りましたから兼元の刀へ手を掛けようと身を動かすと、水色の帷子に映りましたのは前月《あとげつ》母が戒めました「母」という字の刺青《ほりもの》を見て、あゝ悪い処....
豚群」より 著者:黒島伝治
日だった。暮れの節季には金がいるから十二月は日を詰めて働いたのであった。それに、前月分も半分は向うの都合でよこしていなかった。今、一文も渡さずに放り出すのは、あ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
習慣で、この吟味をとどこおりなく通過した者でなければ一人前とは云われない。吟味の前月までに組々の支配頭へ願書を出しておくと、当日五ツ半(午前九時)までに聖堂に出....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なりそうだ。しかし救いをもろもろの霊ある物に求めたから、どうにか免かれるだろう」前月、書物を収めてある石橋が火を発して、その木簡を焼いてしまった。かれは書物を石....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
駄目を押すような語気で云った。「実は、算哲様の日課書の中に――それが自殺なされた前月昨年の三月十日の欄でしたが――そこにこういう記述があるのです。|吾――と。と....
易と手相」より 著者:菊池寛
見ると、盗まれた形跡は少しもないのである。私は、オヤ/\と思ってよく見ると、私が前月に預け入れた二百五十円と云う金額が、脱落しているのである。即ち、私の預け入れ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
出したが、薩摩の一行はそれを顧みないで西に帰ってしまった。 この事件の起こった前月には仏国公使館付きの二人の士官が横浜|港崎町の辺で重傷を負わせられ、同じ年の....
阿繊」より 著者:田中貢太郎
すると主人がいった。 「二、三年前、孀の婆さんと女の子が来て借家をしていたが、前月その婆さんが死んじゃったから、女の子は独りぼっちで、親類もないから泣いてるの....
円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
の団扇で蚊を追いながら月を見ていた。それは盆の十三日のことであった。新三郎はその前月、久しぶりに尋ねて来た志丈から、お露が己のことを思いつめて、其のために病気に....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
時も客が満員であると聞いていた。とても座敷が明いていないだろうと思いながら、私は前月知り合いになった仲居の誰れ彼れに交渉して見たら、幸に一つの座敷が明いていると....
薄どろどろ」より 著者:尾上梅幸
躰見たり枯尾花』というようなのもあります。しかし実際をいうと私も憶病なので、丁度前月の三十日の晩です、十時頃『四谷』のお岩様の役の書抜を読みながら、弟子や家内な....
久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
だと順押しになりますが、五月なら五月の芝居に何を出すか、それがはっきりきまるのは前月の二十日頃なのです。警視庁の方では、二週間以前に脚本を提出しろということにな....
西航日録」より 著者:井上円了
瑞上人に随半して、ブッダガヤに詣ず。また詩あり。 遠来成道地、俯仰思何窮、正覚山前月、尼連河上風、跡残霊樹下、塔聳宝林中、堪喜千年後、猶看此梵宮。 (遠く釈尊成....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
着いたのであった。) 仏陀伽耶懐古(仏陀伽耶懐古) 遠来、俯仰感何窮、正覚山前月、尼連河上風。 (遠く釈迦が悟りを開いた地にきて、大地をみ天上を仰いで感慨と....
死児を産む」より 著者:葛西善蔵
、月から計算してみて、七月中旬亡父の三周忌に帰郷した、その前後であるらしい。その前月おせいは一度鎌倉へつれ帰されたのだが、すぐまた逃げだしてき、その解決方に自分....