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「前段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
茶を品し、炭を写したる筆は再び二人の対話に戻らねばならぬ。二人の対話は少なくとも前段より趣がなくてはならぬ。 「宗近と云えば、一《はじめ》もよっぽど剽軽者《ひょ....
」より 著者:海野十三
う。無論読者においても賛成せられることであろう。…… * ――さて、前段の文章は、途中で切れてしまったが、まったく申訳がない。実は急に胸元が悪くなっ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
の各種の異同を吟味せん、何をか民権論派の四種と言う。 第一種と第二種とは吾輩の前段において過激論派と称したるもの、すなわち民選議院建白を聞きてただちに起こりた....
傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
ゃんとやったが、久之進殺されてしまった。勿論藩の金もとられるし、大小も奪われた。前段の如く、この大小から手がかりになっているが、昔の盗人にしても可成り間抜けた奴....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り沢井道場の余徳でありますな」 沢井道場で門弟食客連がこんな噂をしているのは、前段大菩薩峠の殺人の翌々日のことでありました。 「さて、道具無しの一本」 「心得....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、哲学が文献学化されるためには、すでにW・v・フンボルトでも見られたように、その前段階として歴史の問題がこのフィロロギー・プロパーの線から独立しなくてはならなか....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
。但し、この意味での物質は決して物質の意味ではない。後のもののための単なる一つの前段階的な抽象態にしか過ぎないことを忘れてはならぬ。だが、今大事なことは、こうし....
辞典」より 著者:戸坂潤
はない。なる程無政府主義を終局目的とするのは愚の至りであるが、併し之が社会主義の前段階として価値を有つことを忘れてはならぬ。無政府主義の背後に之を超えて、社会の....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
声を逸って、言うとともに、火鉢越に二人が思わず握手した。 (……ふと思うと、前段に述べた、作者が、真珠三枚で、書店の支配人と、ばらりの調子で声と指を合わせた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っかりしろ」 「鐚――」 広間へ担《かつ》ぎ込んで、そうして事情を聞いてみると前段の始末です。 それ! と集まった悪食連のうちから、逸《はや》り男《お》が飛....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
トラヤアヤア」 と叫び出しました。 これは全く意表に出でた文句の変化であって、前段に読み来《きた》ったところのものは、たしかに医書であります。その医書のうちの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
囲気のなかにくっきりと花を咲かせていたが、それとは別に内藤長十郎|殉死の事がその前段にある。そこでは、丈の高い石の頂を掘り窪めた手水鉢に捲物の柄杓が伏せてある。....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
らが到着した時にはすでに被害者は死んでおって、だから犯人ではない、そういう証拠は前段の事実だけからは出てきません。ただ、そこまでの供述が正しいから、次に、彼らは....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
腹の方は黒褐色を呈し、過眼帯は黒い。爪は長く黄白色をなし、前肢の爪は殊に長大だ。前段に申したように地方によっては狸と混用して、狢というが体の毛の荒いのと、前肢の....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
い地方の川と、悪い地方の川。ここに水源の高低が分かれるのであろう。 それから、前段に耕地が山奥深く開けているということを言ったが、その川の流域に耕地が多ければ....