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「前殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
さまと云うが有りまして、当時美作守さまは御病身ゆえ御控えに成って入らっしゃるが、前殿さまの御秘蔵の若様でありましたから、御次男でも中々羽振りは宜うございますが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いたいということであろう、あの一件で例の婦人が出向いて来たものと見ゆるわい――筑前殿からも内談があったのだが、あれは、まだ拙者には解《げ》せぬことがある故に、な....
丹下左膳」より 著者:林不忘
もと》となったこけ猿が、ただこれだけの物であろうとは、チト受け取りかねる。のう越前殿、この紙の虫食いの跡を、貴殿はなんとごらんになるかナ?」 「古文書に虫の食っ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
りましたと申します。これが奥の院と申す事で、ええ、貴方様が御意の浦安神社は、その前殿と申す事でござります。御参詣を遊ばしましたか。」 「あ、いいえ。」と言ったが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
駒井が来るのか」 神尾は絶望して、取って投げるような返答ぶりでした。 「太田筑前殿は老巧者《ろうこうもの》だ、我等が上にいただいても敢《あえ》て不足はないが、....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
私の前で話し出した。そう、そう言えば、そんな御方の事も聞いていたっけ……と私は以前殿にそういう女の御方もあられた事など、もう殆ど忘れかけようとしていたのを、何と....
パルテノン」より 著者:野上豊一郎
分の一はパルテノン(処女殿)と呼ばれた。東側の入口からはいると、まずプロナオス(前殿)があり、中央の鉄の格子扉の先がヘカトンペドス・ナオスで、名称は部屋の長さが....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
家の内情、あれは悉皆出鱈目じゃ。さて拙者はここを立ち退き船山城へ伺候致し須々木豊前殿へ仕官する所存、苦情があらば遠慮なく船山城の方へ申し越されい。永居は惶れハイ....
三国志」より 著者:吉川英治
行くのだった。 (待て、待て。義弟) 玄徳は夢中にさけびながらその影を追って、前殿の廻廊まで走り出したが、そのとき宙天一|痕の月が鞠のように飛んで西山へ落ちた....
黒田如水」より 著者:吉川英治
兵衛も安土の町を離れ、湖畔の松並木を西へ向って歩いていた。供の侍が、 「あれ、筑前殿が扇を振っておられまする」 と注意したので、官兵衛は駒を留めて凝視した。扇....