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前生
「前生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
働くは悪い事で天道に背くとは思いながら、知りつゝ此の賊になるもねお家主、是は皆|
前生《ぜんせい》の約束事かと思う、悪いから止《や》めようとしても止められんね、こ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
です。つまり単純な天才なんですね。そこへ行くとパパは話せる。あんな天才生活時代の
前生涯と、今のプライヴェート生活のような親密な性情と両面持っている……」 かの....
「蓮香」より 著者:田中貢太郎
解らないようになっておりましたが、今日夢の醒めたようになりました」 そこで共に
前生の話をして、悲喜こもごもいたるという有様であった。寒食の日になって燕が言った....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
水があるだけに、来たてにはひどく感じがよかったが、だんだん来つけてみると、彼女の
前生活を語るようなもろもろの道具――例えば二十五人の人夫の手で据えつけたという、....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
も部屋の隅で涙を流して手を合せ、夫婦はその様を見るにつけいよいよつらく、いかなる
前生の悪業ありてかかる憂目に遭うかと生きる望も消えて、菊之助を葬った後には共にわ....
「惜別」より 著者:太宰治
貨流出防止のため、羊毛の服は廃して綿服にしようとか、金縁眼鏡の膺懲とか、或いは敵
前生活と称して一種の我慢会を開催したり、未明の雪中行軍もしばしば挙行せられ、意気....
「創生記」より 著者:太宰治
おれのせいじゃないんだ。すべて神様のお思召さ。おれは、わるくないんだ。けれども、
前生に亭主を叱る女か何か、ひどく汚いものだったために、今その罰を受けているのだ。....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
て今の我れと同じものも作るような事はありうるかもしれないが、その再生した我れが、
前生の我れを記憶していようとは思われない。 死後に自分の死を悲しむべき第二の我....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ょう》の人というのは転生を信じた印度に行われた古い信仰で、大抵二生の人は宿智即ち
前生修行の力によって聡明《そうめい》であり、宿福即ち前世善根の徳によって幸福であ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。」 「何だ、まずいのが親類だ――ええ、畜生!」と云った。が、老人の事ではない。
前生の仇が犬になって、あとをつけて追って来た、面の長い白斑で、やにわに胴を地に摺....
「地上」より 著者:島田清次郎
った乳首を可愛そうに自分で吸ってみた。黒ずんだ乳首とだれた豊満な乳房とは、彼女が
前生涯に子供を孕んだことを証明していた。 「こう見えても、まだ若いのだから」 ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
って、それでいて寂しくって、雲のない空が頼りのないようで、緑の野が砂原のようで、
前生の事のようで、目の前の事のようで、心の内が言いたくッて、言われなくッて、焦ッ....
「頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
人の刑事が、藤屋の前で逮捕した小僧をつれて入ってきました。 「あッ、富ちゃん、お
前生きていたのか?」 こう叫んでおふささんが駆け寄ろうとしますと、二人の刑事は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
から寺に連れて帰って特別の教育を加えて自ら信ずる力を強くさせるのです。即ち「我は
前生はかくかくの立派なラマである。そういう立派な人の生れ変りであるから、決して人....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
六月、実朝二十五歳である。東大寺の大仏修理をした宋人|陳和卿が来た。実朝に謁して
前生は宋の育王山の長老だといって涕泣した。それに心を動かされ、大船をつくらせて、....