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「前科者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前科者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
》はA中の父兄会の役員だったのだ。寺田は素行不良の理由で免職になったことをまるで前科者になってしまったように考え、もはや社会に容《い》れられぬ人間になった気持で....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
憎其のグラニルの液を入れた小さい瓶が、秀子さんの室から出たのです」 第六十七回前科者 毒薬の瓶が秀子の室に隠して有ったとは実に意外な事柄である、流石の余も....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、六蔵ももう恐れ入るよりほかはなかった。 お糸は吟味中に牢死した。六蔵は入墨の前科者だけに罪が重く、悪人と共謀して主人の娘を牢獄同様のところに押し籠めて置いた....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
徴を見事ふりおとして、身体中が隙だらけであるかのように見えた。もし彼に怨恨のある前科者どもが、短刀|逆手に現われたとしたらどうするだろうと、私は気になって仕方が....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
う押しも押されもせぬ最大の、何んと言いますか……記録保持者? として、H機関庫に前科者の覇権を握っていると言う、なかなかやかましい代物です。 ところでここにも....
光の中に」より 著者:金史良
。それで朝鮮人のところへ行くなってんです。へん、ふざけてらあ、莫迦野郎奴が、あの前科者奴は何だと思うんです。たかがあいのこじゃねえか」そして目の前に相手をおいた....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
『鳥の将に死なんとするや其声哀し、人の将に死なんとするや其言う処善し』である、の前科者で、且つ今は数罪を数えられて、窃盗、放火、詐欺、強姦、殺人者である彼が、僅....
獄中記」より 著者:大杉栄
はもう何にも要らない。 「あれを思い出しちゃ、とても牢ばいりはやめられないな。」前科者同士がよく出獄当時の思い出話をしながら、こう言っては笑う。実際日本飯の本当....
」より 著者:海野十三
たいへん嫌人性になって、彼の穢しい小屋の中に終日閉じ籠っていた。 その間にも、前科者の化助は、毎日のようにやって来て、松吉から金を絞り取ってゆこうと試みた。松....
」より 著者:黒島伝治
をすぎている小使は、過去に暗い経歴を持っている、そのために内地にはいられなくて、前科者の集る西伯利亜へやって来たような男だった。彼の表情にも、ものごしにも、暗い....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
齢をたずねても口を噤んで言わなかったそうです。とりあえず彼の指紋をとって、もしや前科者ではないかと、警視庁で調べても、指紋台帳に同じ指紋を発見することが出来なか....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
を見て逃げ出したのだね?」 「はあ」 「君はその点で、その男を何だと思う?」 「前科者ではないかと思います」 「その通りだ。早速その男の指紋を取って、記録を調べ....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
う。ことに彼らが貧困なり、汚穢なり、トラホームと頭瘡との患者多し、品性下劣なり、前科者比較的多しというが如き事実は、必ずしも彼ら一般の状態にはこれ無く、中には堂....
耳香水」より 著者:大倉燁子
おいて、未亡人倶楽部に出入する人達をちょっと調べてみましたところが、お客の中には前科者や、容疑者達の恋を漁りに来ている者が大分あったのには驚かされました。昨年処....
放免考」より 著者:喜田貞吉
ものを見出せぬ。しかしその実際から言えば、なお江戸時代に与力同心等の手先として、前科者たる目明かしを使役したのと同一のものであったと解せられる。目明かし一つに岡....