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前約
「前約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前約の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
半月ばかりが過ぎてから、私はまた偶然にもある予想外な事件に出合ったので、とうとう
前約を果し旁《かたがた》、彼と差向いになる機会を利用して、直接彼に私の心労を打ち....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ま》があった。二人はすぐそこにある茶店に入って休息した。次の物語はその時敬太郎が
前約を楯《たて》に須永から聞かして貰ったものである。―― 僕が大学の三年から四....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
別の注意を引かれていたものである。タレース(Thales)は、また実に(西暦紀元
前約五五〇年)万物は水より成ると言っているのである。煮沸器内の水を煮詰めてしまう....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
同君の序はとうとう手に入らなかったのである。 余は「彼岸過迄」を片付けるや否や
前約を踏んで「土」の校正刷を読み出した。思ったよりも長篇なので、前後半日と中一日....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
されたものを見たことがないから、多分この表の水茶屋から案内された特別の客だけが、
前約あって、ここへ送られて来るはずになっているものと見えます。すべての観覧席は、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まだ誰もやって来ない。その席、ここにも相当の据膳がしてある。それによって見ると、
前約束が出来ていて、多少の遅刻することを見込んで椅子が買い切ってあるものらしい。....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
る事も稀々《まれまれ》なりしが、妾はなおそれとは気付かず、ただただ両親兄弟に対し
前約を履行《りこう》せざるを恥ずるが故とのみ思い取りしかば、しばしば彼に告ぐるに....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ってしまった。 やがて、聖上には御還御に相成りました。 で、私は会場に参り、
前約通り、もはや用済みのこと故、自作を持って帰るつもりで行くと、会頭初め幹部の人....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
夫という所で、牛車を通したような訳で、手間の掛かること夥多しく、そのため運賃は以
前約束した四十円どころでなく、その六、七倍となりました。それから糟尾川を船に積ん....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
の鼠を捕えるより易い。しかも彼の手には隠し持ったピストルが握られている。ニコルが
前約に従ってジルベールの特赦状を要求したが、プラスビイユはフフンと鼻であしらって....
「審判」より 著者:カフカフランツ
とを彼はよろこんだが、もちろんこんな理由を使う気は全然なかったし、この晩にほかの
前約が全然なかったとしても裁判所には行かないということはきわめてありうることだっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
朝廷からは、平東将軍の綬を賜わったので、いたく感激され、その結果、袁術と婚をなす
前約を破棄して、爾後、あなたと親善をかためてゆきたいという方針で――その証として....
「三国志」より 著者:吉川英治
つですか」 「まあ、ここは宴席ですから、国事は」 「後でもおよろしいが、かならず
前約を違え給わぬように」 そう魯粛がしつこく念を押していると、突如、孔明がかた....