前者[語句情報] »
前者
「前者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
価値との間には、存外大きな懸隔《けんかく》がある。従って彼のうちにある、道徳家が
前者を肯定するとともに、彼の中にある芸術家は当然また後者を肯定した。もちろんこの....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
正確だと認められている無数の史料か、あるいは今見て来た魁偉《かいい》な老紳士か。
前者を疑うのが自分の頭を疑うのなら、後者を疑うのは自分の眼を疑うのである。本間さ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ある。が、トルストイの生涯の悲劇は不幸にも「観覧随意」ではなかった。従って後者は
前者よりも一層悲劇的に終ったのである。
ストリントベリイ
彼は何でも....
「片信」より 著者:有島武郎
者の立場に立っていればいいのか、それとも自分が労働者になるということなのか。もし
前者だとすると堺氏はいかにも労働者の立場に立っているのであり、後者だとすると堺氏....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
我々は期せずして第二の経験――宗教的欲求の時代に移った。それはその当時においては
前者の反動として認められた。個人意識の勃興がおのずからその跳梁《ちょうりょう》に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
生活の所産である。権威と独創とは本能的生活の所産である。そして現世では、いつでも
前者が後者を圧倒する。 釈迦は竜樹によって、基督は保羅によって、孔子は朱子によ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルデアの創世記物語とユダヤのそれとの相違する主要の点は、後者が一神的であるに反し
前者が多神的であることである。ただし
前者でも太陽神マルドゥクが万象並びにまた諸神....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
つの型として、おもに演技をやってみせる方法と、おもに説明に依拠する方法とがある。
前者は端的であり成功した場合は能率的であるが、ただしこれは指導者が完全な演技者に....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
ってこの意味からいえば映画の産業統制といい、また映画産業ブロック化の傾向といい、
前者は画一主義を予想させる点において、後者は限られた資本系統の独占からくる無数の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
謂自動書記と称する方法で受信したものである。これは直接書記と区別せねばならない。
前者にありては、霊媒はペン又は鉛筆を執るか、若くは片手をプランセットに載せるかす....
「合理的、同時に多量の人間味」より 著者:芥川竜之介
菊池なぞは勿論、
前者に属すべき芸術家で、その意味では人生のための芸術という主張に縁が近いようであ....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
テハホトンド生命ノナイモノト思ウ。ヒラガナトカタカナハ相前後シテ生レタラシイガ、
前者ハ毛筆ト和紙ニ対シ適合性ヲ持ツテイタタメ今日マデ愛用サレタニ反シ後者ハ適合性....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
これ国教宗の管長なり。一つをカンタベリー大教正と称し、一つをヨーク大教正と称す。
前者は正、後者は副管長なり。 英国にて、その全国(イングランド、ウェールズ両州....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
スペインとポルトガルとは言語、風俗に小異あるのみならず、地勢おのずから異同あり。
前者の丘山多きに対し、後者は比較的平坦にして、野色一面に青し。左に客中所見一首を....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
争に於ては武力の絶対的位置を低下するに従い、財政・外交等はその地位を高む。即ち、
前者に在りては戦略は政略を超越するも後者に在りては逐次政略の地位を高め、遂に将帥....