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「前表〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前表の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
あるところは、この町でも一ばん低まったところで、二階建の銅張りの店構えは、三四年前表だけを造作したもので、裏の方は崖に支えられている柱の足を根つぎして古い住宅の....
十二支考」より 著者:南方熊楠
こに飼う神馬見えず。享徳二年八月伊勢、八幡、住吉三社の神馬同時に死す、応仁大乱の前表という(『和漢三才図会』七四)。大乱の初まりより十四年昔で、前表もこのように....
十二支考」より 著者:南方熊楠
い轡《くつわ》、その轡へ新しい上赤貝の女郎が思い付いて招かぬに独り食い付くと申す前表《ぜんぴょう》と悦ばす所あるはこれに拠って作ったのだ。その他『甲子夜話』一七....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
常と異ってやさしくお繼に夕飯を食べさせ、あとで台所を片付けてしまい、 梅「お繼お前表口の締りをおしよ」 繼「はい」 とお繼は表の戸締を為ようと致しますると、表....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
有の大魚の躍りましたは、甘露、法雨やがて、禽獣草木に到るまでも、雨に蘇生りまする前表かとも存じまする。三宝の利益、四方の大慶。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとて....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
この隠居所を貸すとしよう)――御夫婦、黒門を出さしったのが、また世に立たっしゃる前表かの。 鶴谷は再度、御隠居の代になりました。」 「息子さんは不埒が分って勘....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
過失とは云いながら一箇にしてしまったが、ああ情無いことをしたものだ、もしやこれが前表となって二人が離ればなれになるような悲しい目を見るのではあるまいかと、痛くそ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
そのうえ兎角お城に向かいて剣をふる。いかで勝つことを得ん。これ運命の告《つ》ぐる前表也と――。 とにかく。 その時、小熊は兎角のために橋の欄干へ押しつけられ....
ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
、いつの間にか脈々たる黄道《こうどう》の虹《にじ》が横たわっていた。暗黒と光明の前表は、鹹湖《かんこ》にも、多島海にも、路傍の沼にも、それこそ、まるで水草の花の....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
年/五五〇、〇〇〇 一八〇五年同 一八一〇年/六五一、〇〇〇 人口の増加は前表によるよりも後表による方が遥かに自然的であり蓋然的であるように思われる。 ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
トルラ トルラル トラル チトラル デコデンデン この十語のうち、前表中に見出すことのできるのは「トル」の一語あるのみである。 以上のほかに、前....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
拵えたものだから、折れることも有ろうと申して、祝し直してくれましたが、矢張それが前表で虫が知らせたのでございましょう」 内「私も少さい時分から丹誠して、忰と同じ....
三国志」より 著者:吉川英治
共に、蜀へ投降してしまった。 「招かずして、王平が降ってきたのは、われ漢水を取る前表である」 と、玄徳は彼を容れて、偏将軍に封じ、もっぱら軍路の案内者として重....
私本太平記」より 著者:吉川英治
みて 朝儀、道に違ひ 礼法、則に背きしなど いつかは かかる不思議の 出来るべき前表なりけん とは、古典にみえる浩嘆であるが――この炎をうしろに、叡山東坂本へ....