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前車
「前車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前車の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天災と国防」より 著者:寺田寅彦
おもなる原因は、畢竟そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が
前車の顛覆を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう。 しかし....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
国民も決してあの暴状を摸ねようとは考えないのですから、露西亜人は世界人類のために
前車の覆轍を示したことになります。また露西亜人とても何時まで今日のような無紀律な....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
る身は紙鳶に乗って、雲の桟渡る心地す。 これから前は、坂が急に嶮くなる。……以
前車の通った時も、空でないと曳上げられなかった……雨降りには滝になろう、縦に薬研....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うと思われるほどだった。
それは森林地方で厚板や丸太を運ぶのに使われる荷馬車の
前車《まえぐるま》であった。その
前車は、大きな鉄の心棒と、それに嵌《は》め込んで....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が現われた。
砲手らが砲車を押し進めてきた。大砲は発射架の中に入れられていた。
前車ははずされていた。砲手の二人は砲架をささえ、四人は車輪の所に添い、他の者らは....
「接吻」より 著者:神西清
長殿、きのう鉄工卒のアルチェーミエフが泥酔しましたので、中尉殿が彼奴を予備砲車の
前車へ乗せるように命令されました。」 曹長の報告はまだ続いて、カルポフが喇叭の....
「謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
他事ではありません。今度は私自身がその仕舞図を描くことになったのですから、そんな
前車の轍をふまないように注意しなくてはいけないと思って緊張しているのです。 仕....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その心情の哀れなることを察して折々は自分でもどうも誤り易いは色情であると思って、
前車の覆えるを見て私の進んで行く道の戒めとした訳でございました。
だんだん親密....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
同じ運動を続けている。衝動が激しかったので一時的精神異常をきたしたのらしい。玄関
前車寄せにはおびただしい死傷者だ。しかも下の町から次々と傷を押さえた負傷者が、救....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
はなりますまい。北条新蔵が仆れたからには、自分がなどと重なる遺恨を追って、また、
前車の血の轍をお踏みなさるなよ。愚かです、愚かなことです」 そう忠言すると、彼....