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「前途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
がられています。そこから僕のライフ・キャリヤアを踏み出すのは大なる利益です。僕の前途には確かに光明が見え出して来ました。 あなたに書く事は底止《ていし》なく書....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。 行け。勇んで。小さき者よ。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ように差出した三世相を、ものをも言わず引掴んで、追縋って跡に附くと、早や五六間|前途へ離れた。 「どうも恐入ります。ええ、何、別に入用なのじゃないのでございます....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しい腰の色気も投棄てに……風はその背後から煽っている……吹靡く袖で抱込むように、前途から飛着いた状なる女性があった。 濃緑の襟巻に頬を深く、書生羽織で、花月巻....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、お杉お玉の親類の筈を、思いもかけぬ上客一|人、引手夥多の彼処を抜けて、目の寄る前途へ行き抜けもせず、立寄ってくれたので、国主に見出されたほど、はじめ大喜びであ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
午後四時ごろ。浜辺は煮えて賑かに、町は寂しい樹蔭の細道、たらたら坂を下りて来た、前途は石垣から折曲る、しばらくここに窪んだ処、ちょうどその寺の苔蒸した青黒い段の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んなに本人にとりまして満足なことでございましょう。』と母は自分のことよりも、私の前途につきて心を遣ってくれるのでした。『それについては、私があまりたびたび訪ねる....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。之に反して耳馴れぬもの、眼馴れぬものは頭から疑われる。 で、われ等の仕事が、前途幾多の荊棘に阻まれるべきは、元より覚悟の前であらねばならぬ。われ等の啓示は往....
活動写真」より 著者:淡島寒月
あるから、再び生き返らせようとして、彼女の屍に手を掛けたが、またも世に出る彼女の前途を考えて、終に思い止まり、かつその発明をも捨ててしまったのであった。 要す....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
筈だから、一首一首別なわけ方で何行かに書くことにするんだね。 B そうすると歌の前途はなかなか多望なことになるなあ。 A 人は歌の形は小さくて不便だというが、お....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
った。しかし真と善との峰は、まだ雪をかぶった儘深谷を隔てているかも知れぬ。菊池の前途もこの意味では艱険に富んでいそうである。巴里や倫敦を見て来た菊池、――それは....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ア語との比較や、パリおよびローマの文明の傾向を論じたりしたが、一方では王立協会の前途について心配し、なおその一節には、 「旅行から受くる利益と愉快とを貴ぶことは....
活人形」より 著者:泉鏡花
んと胸を叩きて、「御配慮なされますな。と気軽に飛出し、表門の前を足早に行懸れば、前途より年|少き好男子の此方に来懸るにはたと行逢いけり。擦違うて両人|斉しく振返....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
根本的に転換させてアジアに平和体制を作る方向に向かわないかぎり、日本国民に明るい前途はなく、ここにもまた日中両国民にとって緊急かつ共通の課題がございます。 こ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ルダン攻撃はこの目的を達成しかね、ドイツ軍は連合側に劣らざる大損害を受けて戦争の前途にむしろ暗影を投じたのであったが、ナポレオンのマントア攻囲はよくファンケルハ....