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前金
「前金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
こゝ》で、三年も奉公して行きますからお願い申しますといって、証文の取極めをして、
前金《ぜんきん》も借りて来てあるのだから、是から行って麹屋で稼ぎ取りをして行こう....
「放浪」より 著者:織田作之助
ないかと思われて、しかしこれは余りに滑稽な空想だと直ぐ打ち消した。 順平は千日
前金刀比羅裏の安宿に泊った。どういう気持で丸亀を飛び出したのかと自分でも納得出来....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
を探してくれたのさ。かなり大きい翻訳なのだ、僕が困るといったものだから、これだけ
前金を融通してくれたのだ、はははは」と、彼はこともなげに笑った。矢部さんというの....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
出して昼食をとる。片手にアルミの凸凹水筒あり。目の前の食堂には、まぐろさしみ一人
前金五円の大貼札があって、二十四、五人が列をなしていた。 ◯きょうの買物 ヘア....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
だから。」と、中津は、山崎に注意した。「ちびり/\しか金をやらないのに限るんだ。
前金でも渡したら、もう、手にとれなくなっちまうぞ。君が、しょっちゅう、こいつをキ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
日僕は、Bの家の近所を歩き廻って、ロシア人の下宿屋を見つけた。そして、ただ少々の
前金を払っただけで、名も何にも言わずにそこの一室に落ちついた。 僕は食堂へ出る....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
眞達は少しも知らぬのに勧められて為ると負ける。 傳「眞達さん冗談じゃねえ、おいお
前金を返さなくっちゃアいけねえ」 眞「今は無えよ」 傳「今無くっちゃア困るじゃア....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ますると、一年も三年も或は七年も八年もございますが、何十円と定めまして、其の内|
前金を遣ります。皆手金の前借が有ります。それで夏冬の仕着を雇主より与える物でござ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
る筈のことを忘れるな。 『社会新聞』と『大阪平民新聞』とは、もし送って来なければ
前金を送れ。そして保存して置け。 山川の獄通から、しきりに桐の花がどうの、ジャ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ほんのわずかのことであった。わたし自身については、せいぜい両親のないこと、親方が
前金で養母の夫に金をはらってわたしをやとったこと、それだけしか言えなかった。 「....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
夜逃げとあらば、そうではなかったと申せましょう。なぜなら、ロッテナム夫人は多額の
前金をそっくり置き残して立ち去ったのですから。それは三ヶ月分の家賃ですが、日本の....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
局の貯金をすっかりおろしていることなど、忘れたかった。印刷を請負うのにも、近頃は
前金をとり、不意の活字は同業者のところへ借りに走っていた。仕事も粗雑で、当然註文....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
いう制度があって、毎日かならず入浴する人に対しては割引をする。それも最初は一ヶ月
前金十銭ぐらいであったが、湯銭騰貴に伴って、二十銭、二十五銭、三十銭となり、湯銭....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
でお前の食物および着類等は主人持として、一ヵ月の賃銭が七円五十銭、その半額だけを
前金に渡すという約束で雇いまして十五円だけ渡して遣りました。その金はすべてその男....
「放浪」より 著者:織田作之助
はないかと思われて、しかし之は余りに滑稽な空想だと直ぐ打ち消した。 順平は千日
前金刀比羅裏の安宿に泊った。どういう気持で丸亀を飛び出したのか自分でも納得出来ず....