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剔
「剔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 これには町内の者残らずが一様にあわを吹かされてしまいましたが、しかし右門の
剔抉《てっけつ》したとおり、糸屋の若主人の急死が、のぼせたんでもなく、てんかんで....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
し一度俳優の位置に身を置いて自分で動いてみると実にあっけないほど簡単にその原因を
剔出することができるものである。 ○エロキューションの指導に関しても前二項とほぼ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
件において、それがあらゆる要素の根柢をなすものに相違なかった。おそらくこの時機に
剔抉を誤ったなら、この厚い壁は、数千度の訊問検討の後にも現われるであろう。そして....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
こゝに遺憾に堪えなかったのは、当時の庄司署長が年少気鋭にしてよくかの如き大事件を
剔抉し得たが、惜むらくは未だ経験に乏しかったので、彼の自白に基いて有力たる証拠を....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ならば勿論失明の外はありません。ことに疼痛が甚だしいために、それを除くには眼球を
剔出すること、即ち俗な言葉でいえば眼球をくり抜いて取ることが最上の方法とされて居....
「手術」より 著者:小酒井不木
の準備を厳重に監督なさいました。 ある日、T先生は、子宮繊維腫の患者に、子宮|
剔出手術を施して講習生に示されることになりました。その患者は二十五歳の未婚の婦人....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ない。見ずや、きみ、やかなの鋭き匕首をもって、骨を削り、肉を裂いて、人性の機微を
剔き、十七文字で、大自然の深奥を衝こうという意気込の、先輩ならびに友人に対して済....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
見え、すっかり着飾ったベッシェール夫人は芝居の揚幕の出かなんぞのように悠揚と壁に
剔ってある庭の小門を開けて現われた。黒に黄の縞の外出服を着て、胸から腰を通して裳....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
八郎は、いま枯菅を踏みながらこの猟館へと歩んでゆく。 しかし読者諸君は、自分が
剔抉し撲滅したこの一団に、なぜいま、左枝が訪れようとするのか疑念を持たれるだろう....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
で推摩居士をしっくりと包んでいる、玉幡を動かして行った。そして、四つの幡を合せた
剔り紐を引き抜いて、予め両脇に廻らして置いた紐を徐々に下ろして行ったのだ。それか....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
京伝側が余り快く思わぬは無理もないが、馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄を
剔抉いて恩人風を吹かし、人倫とはいい難しとまで京山が罵るのは決して穏やかでない。....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
瘍なのです。子供に多いのですが、大人にもたまにあります、猫の眼のように光る時分に
剔出するとよいのでしたが、今はもう手遅れです」 「手遅れと申しますと、右の眼が助....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
て白痴のようになってしまった。又、良雄の右眼の傷は意外にも重性の炎症を起し、早く
剔出すればよかったものを、手遅れのために交感性眼炎を発し左眼も同様の炎症にかかり....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
して兜を抜いで降参した。その頃の若い学士たちの馬鹿々々しい質問や楽屋落や内緒咄の
剔抉きが後の『おぼえ帳』や『控え帳』の材料となったのだ。 何でもその時分だった....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
は盛んに柳暗花明の巷に馬を繋いだ事があるので、若い沼南が流連荒亡した半面の消息を
剔抉しても毫も沼南の徳を傷つける事はないだろう。沼南はウソが嫌いであった。「私は....