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剛情
「剛情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剛情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
威丈高になった父の小言を覚えている。――「貴様は意気地もない癖に、何をする時でも
剛情でいかん。」
しかし彼の迷信は幸にも次第に消えて行った。のみならず彼は西洋....
「影」より 著者:芥川竜之介
と》つ、文字通り陳の心臓を打った。陳はその度に身を震わせながら、それでも耳だけは
剛情にも、じっと寝室の戸へ押しつけていた。しかし彼の興奮が極度に達している事は、....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た神ですからね。」
「しかし泥烏須《デウス》は勝つ筈です。」
オルガンティノは
剛情に、もう一度同じ事を云い放った。が、老人はそれが聞えないように、こうゆっくり....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。」
いつか興奮し出したお蓮は、苛立《いらだ》たしい眉《まゆ》をひそめながら、
剛情に猶《なお》も云い続けた。
「今の内に何とかして上げないと、取り返しのつかな....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
です。が、私はミスラ君に約束した手前もありますから、どうしても暖炉に抛りこむと、
剛情《ごうじょう》に友人たちと争いました。すると、その友人たちの中でも、一番|狡....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
さい》も、再三|明日《あした》にした方が好くはないかと云って見た。しかし千枝子は
剛情に、どうしても今日行きたいと云う。そうしてしまいには腹を立てながら、さっさと....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
だいかん》は天主のおん教は勿論、釈迦《しゃか》の教も知らなかったから、なぜ彼等が
剛情《ごうじょう》を張るのかさっぱり理解が出来なかった。時には三人が三人とも、気....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
賢造はとうとう苦《にが》い顔をして、抛《ほう》り出すようにこう云った。洋一も姉の
剛情《ごうじょう》なのが、さすがに少し面憎《つらにく》くもなった。
「谷村さんは....
「竜」より 著者:芥川竜之介
王《りゅうおう》の御姿をたった一目拝みさえすれば、もう往生しても本望じゃ。』と、
剛情にも腰を据えて、甥の申す事などには耳を借そうとも致しません。と申してあの建札....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
支那人はそれを見ると、さすがに顔の色を失ってしまった。が、やはり押し黙ったまま、
剛情《ごうじょう》に敷瓦を見つめていた。
「そんな事だろうと思っていた。」
将....
「百合」より 著者:芥川竜之介
しまうのだった。しかしその朝は泣き出さなかった。のみならず頭がふらついて来ても、
剛情《ごうじょう》に相手へしがみついていた。
すると桑の間から、突然誰かが顔を....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
さんが民子に幾度意見をしても泣いてばかり承知しないから、とどのつまり、お前がそう
剛情はるのも政夫の処へきたい考えからだろうけれど、それはこの母が不承知でならない....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
思うていたところ、この上もない良縁と思う今度の縁談につき、意外にもおとよが強固に
剛情な態度を示し、それも省作との関係によると見てとった父は、自分の希望と自分の仕....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
は片手にピストルを握ったまま、片手に次の間の戸口を指さしました。 「それでもまだ
剛情を張るんなら、あすこにいる支那人をつれて来い」 「あれは私の貰い子だよ」 ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ました。神将は彼が恐れないのを見ると、怒ったの怒らないのではありません。 「この
剛情者め。どうしても返事をしなければ、約束通り命はとってやるぞ」 神将はこう喚....