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「剛気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

剛気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
満足しなかった。彼はふだんから天狗などというものの存在を一切否認しようとしている剛気の武士であった。 「これには何か仔細がある」 いずれにしても其のままには捨....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
タールはだんだん懆しくなってきた。半白の髪の様子ではもう五十にちかいだろう。ただ剛気そうな目が、恍りとした快酔中にもぎらついている。 やがて、問われるままに、....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
野伝右衛門三十二歳、土屋右衛門尉弟惣蔵二十歳であった。惣蔵、容姿端麗にしてしかも剛気であったので、勝頼の寵愛深かった。惣蔵、兄右衛門尉の身を気づかって、馬を返す....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
は皆敵になったのであるし、御領主の御領内も在来の者共の蜂起《ほうき》は思われる、剛気の大将ではあらせられても御味方は少く、土地の者は多い、敵《かな》わせられるこ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
強く撲った。撲たれて皮肉を破られて、血汐が目にしみるほどであったが、鳶はすこぶる剛気の男で組みついた手をゆるめず、泥坊をつかまえたぞと呶鳴り立てたので、待ち設け....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
たぬうちに日露戦争がはじまって主人が出征し、畑へはお内儀さんが出た。しかしいくら剛気なお内儀さんでも両手に乳飲子をかかえた畑仕事はさすがに手に余ったのでしょう。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
衛どんが胸か腹をおさえて、前へトントンとのめるように倒れるところでした。あの人は剛気ですから、その瞬間になっても、山カゴを担った片手は放しません。そのとき、五兵....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ゃアならないものか、出るところへ出て、キマリをつけておくれ」 一力は物に臆さぬ剛気の丈夫であるが、男の顔が立つか立たないか、という不文律のサバキとちがって、法....
貞操問答」より 著者:菊池寛
とは思わなかった!」 「あたし何でも好きよ。音楽も、文学も、恋愛も。」 「へえ!剛気だな。でも、恋愛だけは余計じゃないか。」 「三人姉妹でしょ。三つの階級がある....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
る。 こうして、この一つ家には父ひとりが取残された。 しかし源兵衛は生れ付き剛気の男であった。打ちつづく不幸は彼に対する大打撃であったには相違ないが、それで....
取舵」より 著者:泉鏡花
時暴増る風の下に、瞻るばかりの高浪立ちて、ただ一呑と屏風倒に頽れんずる凄じさに、剛気の船子も※呀と驚き、腕の力を失う隙に、艫はくるりと波に曳れて、船は危く傾きぬ....
九段」より 著者:坂口安吾
むところはなく孤軍フントウ稽古をつづけているところ、見かけとちがってオカミサンは剛気であり、大そう負けギライらしい。マダムも相当の負けギライであるが、姉サンの実....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
んとした道義観とでもいうものがあって、人間のあゆむべき正しい道とか、あるいは尚武剛気の気性を植えつけるとか、貞操の観念を強調するとか――とにかく謡曲のなかにうた....
妖怪学」より 著者:井上円了
べし。慎むべきなり。 五黄に生まるる人は、その星中央の土徳を主とするがゆえに、性剛気にして我慢づよく、一己の志を立て通すなり。生家を離れざれば吉事なし。この人、....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
れた海の上に敵の無敵艦隊が撃破されてあるのを見た瞬間にイギリスが獲得した、不屈の剛気と華麗な自信と胸躍る挙国一致の感激の表現だった。その瞬間、タンバーレンの壮大....