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剣光
「剣光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剣光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
君の冒《おか》すべき危険は彼らの危険より恐ろしいかも知れぬ。血を見ぬ修羅場は砲声
剣光の修羅場よりも、より深刻に、より悲惨である。諸君は覚悟をせねばならぬ。勤王の....
「運命」より 著者:幸田露伴
燕王の兵を起したる建文元年七月より、恵帝の国を遜りたる建文四年六月までは、烽烟
剣光の史にして、今一々|之を記するに懶し。其詳を知らんとするものは、明史及び明朝....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と秋の宵が迫って、行く手は彼は誰れ時の夕闇でしたが、しかしその宵闇の中にたばしる
剣光を縫いながら、必死とあの宿の若者の力戦奮闘している姿が見えました。――ダッと....
「戦場」より 著者:夢野久作
ます……喜んで……アイタッ……アタアタアタアタアタッ」 月光に濡れた工兵中尉の
剣光がビィヨンビィヨンと空間に撓った。 「……ナ……何を吐かす。卑怯者……売国奴....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
うにささやかな開きをなしている草むらのあたりに、泰軒を囲んでいるとおぼしき一団の
剣光がある。
「うぬッ! こうなれば一人ずつ武蔵太郎に血をなめさせてくれる!」
....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
たので、健気にもあの植木屋が、気を失った自分の刀を取って防いでくれた。ところが、
剣光と血に逆上したとみえて、その感心な植木屋が、あとでは左腕の怪剣士といっしょに....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
一 ぴかり!
剣光! ワッという悲鳴! 少し間を置いてパチンと鍔音。空には満月、地には霜。....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
に心配していた通り、覆面の武士が近寄って来た。スルリ双方擦れ違った途端、キラリと
剣光が閃いた。 「抜いたな」と馬琴は感付いたが、却も走りもしなかった。かえって彼....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
付け込んだ深見十三郎、 「むっ」と喉音潜めた気合。掛けると同時に一躍した。ピカリ
剣光、狙いは胸、身を平めかして片手突き! だが鏘然と音がした。 すなわち与左....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
丁、遠くの友の姿も見えずに学校に通うのだ。 毎年秋の発火演習の時にも霧の中から
剣光帽影が閃めいたのがハッキリ目の前に浮んで来る。 「霧立ち罩むる犀川を」という....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
その役の小保内精一が長剣を抜いて突っ掛かって来ると、いきなり蹌踉いたものか、その
剣光を目がけて、孔雀が飛び出したのであった。それはまったく、電光のような敏ばやさ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
。 陣十郎が払ったのである。 と見て取って翻然と、要介は無手で躍りかかった。
剣光! 斜に一流れした。 陣十郎の横なぐりだ。 が、何の要介が、切られてな....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
振り向くと、今来た坂を、黒い人影がばらばらばらと駈けおりて来る。 追っ手だ!
剣光影裡春雨冷 しとしとと春の夜の小雨が煙っている。 ほどよく水を含んだ土は....
「三国志」より 著者:吉川英治
をうった。 「君聞かずや!」 張飛は、いいながら、またも一振り二振りと、虚空に
剣光を描いて、 「何の声か。そも」と、叫んだ。 そしてなおも、答えのない劉備を....
「三国志」より 著者:吉川英治
平和来を謳って、戸ごとに踊り祝っていた民家は、ふたたび暴兵の洪水に浸され、渦まく
剣光を阿鼻叫喚に逃げまどった。 どこまで呪われた民衆であろうか。 無情な天は....