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剣山
「剣山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剣山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
い分だが、そんな話は確かに伝わりおる。『紀南郷導記』に、西牟婁郡「滝尻五体王子、
剣山権現ともいふ由なり、往昔|秀衡《ひでひら》の室、社後の岩窟にて臨産の節、祈願....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
雑な感情をジッと堪えていた。 ちょうど其の時間に、椋島技師は陸軍大臣の官邸で、
剣山陸軍大臣と向い合って、低声で密談中であった。椋島技師は、緊張にこまかくふるえ....
「鍛冶の母」より 著者:田中貢太郎
。旧幕の比は土佐藩で岩佐の関と云う関所を置いてあった。これは土阿の国境に聳立った
剣山や魚梁瀬山の脈続きで、山の中の高い処は海抜四千一百五十尺もある。今、安芸郡の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、あの山がお気に入りましたか」 でも、返事がありません。 「あれは越中の立山の
剣山《つるぎざん》でございますよ、まだ、あのお山の頂《いただき》へは、誰一人も登....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なって参ります。
まして――これから上の乗鞍ヶ岳や、穂高ヶ岳や、槍、白馬、越中の
剣山の上あたりの今夜の月の景色は、どんなでしょう。それはただ想いやるばかりで見る....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に見た弘法大師が、千足の草鞋《わらじ》を用意して、なお登り得なかったという越中の
剣山《つるぎざん》に何十倍すると思われる連脈の上より、何という清冷なる鈴の音だろ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
また歩調を同じうしてこの非常線を突破してしまいました。 行手に殺陣があろうと、
剣山があろうと、そんなことで踏みとどまるこの三人でないことは、わかる人にはわかっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ています。 八月三十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 吉田博筆「
剣山」の絵はがき)〕 三十一日 本郷の方へ出掛ける人に頼んで思いがけず『結核....
「妖怪学」より 著者:井上円了
て、子どめのマジナイなれば、この名は末子に多しとかいう。その他、相撲の類にても、
剣山は阿波より出でたるがゆえに、阿波第一の山名を取り、大鳴門は淡路より出でたるゆ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
という後ろ楯のあることを観破した者は、江戸方の隠密甲賀|世阿弥。これは、御本国|
剣山の山牢に、終身押しこめてありますゆえまず安心。ところがここにまた、天満浪人の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いて、万吉は、ここでちょっと言葉をきった。 「阿波の海陸二十七|関、そこを潜って
剣山の間者牢までまぎれこむのは、なるほど、できるだけ密かがいいし、弦之丞様の身に....
「三国志」より 著者:吉川英治
忠言した。 「蜀には、英武の質が多い。貴下のごとき豪傑は幾人もいる。加うるに地は
剣山刀谷である。軽々しく進退してはならない。またよく部下を戒め、かりそめにも掠め....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
えであったが、屋島の一角に佇んで、一そうその考え方をつよめた。 夕月はいつか五
剣山の上に高い。船隠しの崎も、檀ノ浦の浦曲も、夜の底に無風帯の青ぐろさを抱いたま....
「山の人生」より 著者:柳田国男
屋久島はいまなお痕跡があり、四国にも九州にももちろん住むと伝えられます。四国では
剣山の周囲ことに土佐の側には無数の話があり、九州は東岸にやや偏して、九重山以南霧....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
た一つである。捜せばなお出て来るだろうが、今私の記憶しているのは、たしか徳島県の
剣山周辺にもあって、これは祭の準備の間、奉仕者が忌み籠ることであった。摂津の西宮....