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剣幕
「剣幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剣幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
らあと二分間、部屋の外で待っていておくれ」と、さすがの心臓男ドレゴも、エミリーの
剣幕《けんまく》におそれをなして、赤ん坊のように悲鳴をあげた。 「ところがたいへ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
な奴は俺ら真平だ。」 「いつ、私が、薄情な、」 と口惜しく屹となる処を、酒井の
剣幕が烈いので、悄れて声が霑んだのである。 「薄情でない! 薄情さ。懇意な婦の、....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
、なんですって?」 とうとう主任は、堪りかねて詰めよった。すると博士は、主任の
剣幕にはお構いなく、再びチラッと「トントン」の屍骸を見やりながら、妙なことを云っ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
さない。買うつもりで価を聞いたのだろうから、いくばくか値を附けろ、といったような
剣幕で、二円も三円もとの云価を二十銭三十銭にも附けられないという処を見込んだ悪商....
「怪塔王」より 著者:海野十三
を知らないとはいわせないぞ」 帆村は、怪塔王の胸もとをつかんばかりの、はげしい
剣幕でつめよった。 怪塔王は、しばらく口をもごもごさせていたが、やがて決心した....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
、もうよしてかえりましょうよ」 小学校の四年生の妹のマリ子はあまり受付がひどい
剣幕なので、もうかえりたくなった。 「お待ちよ、マリちゃん。だって博士が見に来い....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
の前にわざとらしく小腰、――と云っても大きい――を屈めた。 突如噛着き兼ねない
剣幕だったのが、飜ってこの慇懃な態度に出たのは、人は須らく渠等に対して洋服を着る....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
那こちらへ、……ちょうどお座敷がございます。」 「待て、」 と云ったが、遣手の
剣幕に七分の恐怖で、煙草入を取って、やッと立つと……まだ酔っている片膝がぐたりと....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
窓を撫でてやったものを、業畜、悪巫山戯をして、キッキッと歯を剥いて、引掻きそうな
剣幕をするから、吃驚して飛退こうとすると、前足でつかまえた、放さないから力を入れ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
げしく抵抗でもするつもりでしたろう、そこにあった手頃の粗朶を引っつかんで怖ろしい
剣幕で起ち上がりましたが、わたくしのうしろからかの与助が小さい顔をひょいと出した....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
って、火のついたままで無暗に振りまわしながら、相手があらばひと撃ちといったような
剣幕で、小屋の入口へつかつかと駈け出した。出ると、外には人が立っていて、出会いが....
「狂女」より 著者:秋田滋
いたい、是が非でも会わせろと云いだした。そして部屋に通されると食ってかかるような
剣幕で、彼はこう訊いた。 「奥さん。面談したいことがあるから、起きて、寝床から出....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
叱られるか知れねえ。 文字清 いいえ、構わずに放してください。 (文字清は激しい
剣幕で二人を突き退けて店さきに来る。) 文字清 (叫ぶ。)おかみさんに逢わして下....
「審判」より 著者:カフカフランツ
つかんで、玄関の扉へ彼を押しつけ、まるでそこへ釘づけにしようとでもいうかのような
剣幕だった。 「こら」と、彼は叫んだ。「なんだってあんなことをやるんだ! せっか....
「二少年の話」より 著者:小川未明
おききになりました。 「おい、秀公、だまっていろ。」と、達ちゃんは、おどすような
剣幕をして、いいました。 「達ちゃん、そんなことをいうのは、卑怯ですよ。」と、お....