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剣菱
「剣菱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剣菱の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
銀行からは御使でした。そそくさと御仕度をなすって、黒七子《くろななこ》の御羽織は
剣菱《けんびし》の五つ紋、それに茶苧《ちゃう》の御袴《おはかま》で、隆《りゅう》....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
こがねぐさ》――土一升に金《かね》一升、金の生《な》る木の植えどころ――百万石も
剣菱も、すれちがいゆく日本橋――。 こうした太平繁華の気分は、日本諸国の集まる....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
にかけて、冷たく笑った。
「何が毒酒なもんで――いい酒さ――いいも良い――池田の
剣菱《けんびし》、ちょいと口にへえる奴じゃあねえ。これで、おいらも、何の道楽もね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おやじの帰った様子もなし、焚火にくべてあった松の切株が頻《しき》りに煙を立てて、
剣菱《けんびし》の天井から白々と夜の明け初めたのがわかります。 何かしら、昨夜....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
て明治の初年まで存えていた人だった。 対山はひどい酒好きだったが、いつも名高い
剣菱ばかりを飲んでいて、この外にはどんな酒にも唇を濡そうとしなかった。何かの会合....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
またも意外、こちらはいま巣へもぐり込んだばっかりの二人のお菰《こも》が、相変らず
剣菱《けんびし》の正装で、のこのこと這《は》い出して来ました。 ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
左に「大みつ」といった名代な酒屋があった。チロリで燗をして湯豆腐などで飲ませた。
剣菱、七ツ梅などという酒があった。馬道へ出ると一流の料理屋富士屋があり、もっと先....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
の酒については、『五月雨草紙』に和泉町四方の滝水一升二百文なり。鎌倉河岸豊島屋の
剣菱同二百八十文なり。予が先考は、酒を嗜みたれど
剣菱を用いて、その薄色辛口という....
「論語とバイブル」より 著者:正宗白鳥
を円満に満足させ、現世の幸福を極度まで楽んだ、吾人が理想に近い国であったらしい。
剣菱|茲《ここ》に論語、聖書の中より二三節を抜摘して、公平なる批評を加えて、孔子....