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「剥ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

剥ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門」より 著者:芥川竜之介
な。己もそうしなければ、饑死をする体なのだ。」 下人は、すばやく、老婆の着物を剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。梯....
星座」より 著者:有島武郎
さわった。 「柿江……貴様あ逃げかくれをするな。俺は今日は貴様の面皮《めんぴ》を剥ぎに来たんだ。まあいいから坐ってろ。……俺は柿江の面皮を剥ぎに来た、と。……だ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
のうえという固定的感念に支配されているのだ。僕の生命からしばらくなりとも妻や子を剥ぎ取っておくならば、僕はもう物の役に立たないものになるに違いないと思われるのだ....
人造人間事件」より 著者:海野十三
に解剖してみましょう」 馬詰は医学者のようにいとも無造作に、人造人間の鉄仮面を剥ぎとった。 「ほら、これが口の代りになる高声器です。ほほう、この人造人間は目が....
流線間諜」より 著者:海野十三
は檻をまた旧のように床下に下ろした上で、二人を一座の中央に引据えて、その黒い服を剥ぎとった。するとその覆面の下から現れた二つの顔! ああ意外にも、その大きい方の....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
皮が手袋をぬいだように裏返しに指先から放れもやらずブラ下っているのであった。皮を剥ぎとられた部分は、鶏の肝臓のように赤むけだった。 杜は気絶をせんばかりに愕い....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
……堪らぬ、と飛上って、紫玉を圧えて、生命を取留めたのもこの下男で、同時に狩衣を剥ぎ、緋の袴の紐を引解いたのも――鎌倉殿のためには敏捷な、忠義な奴で――この下男....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、稲の葉が黒くなって、田が溝染めに暮れかかると、次第に褪せて行く茜色を、さながら剥ぎたての牛の皮を拡げた上を、爪立って歩行くような厭な心持がするようになっちまっ....
白光」より 著者:井上紅梅
って検屍の上、地保に渡して埋葬した。死因は至っては当然問題ではない。死人の衣服を剥ぎ取ることはいつもあることで、謀殺の疑いを引起す余地がない。そうして検屍の証明....
科学時潮」より 著者:海野十三
其の時、やっと、気が付いたことは、これこそ例の怪人の一人が死刑囚を殺し、其の皮を剥ぎ、服装も一緒にこれを怪人が着しているのだという事が判った。 一行は怪人に其....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
をむくときのように、パリパリと音がするのであった。それは内臓を繋いでいる軟い膜が剥ぎ破られる音であろうと思った。 腹腔や胸腔の中が、だんだんがら空きになってき....
多神教」より 著者:泉鏡花
村の衆。今度は鬼女、般若の面のかわりに、そのおかめの面を被せい、丑の刻参の装束を剥ぎ、素裸にして、踊らせろ。陰を陽に翻すのじゃ。 仕丁 あの裸踊、有難い。よい慰....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ら力を合せて、鉄扉の隙の乾いた粘土を掻き落しはじめた。 間もなく粘土がすっかり剥ぎ取られると、技師は閂を跳ね上げて、力まかせに鉄扉を引き開いた。異様な生温い風....
唇草」より 著者:岡本かの子
たらいいかも知れない。 栖子は千代重が指図して行った蚕豆の莢を盆の上で不手際に剥ぎながら、眼はぼんやり花畑を眺めていた。 チューリップがざわざわと葉擦れの音....
古事記」より 著者:太安万侶
分の君の御手に纏いておいでになつた玉の腕飾を、膚《はだ》も温《あたたか》いうちに剥ぎ取つて持つて來て、自分の妻に與えたのです」と仰せられて、死刑に行われました。....