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剥げる
「剥げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剥げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
、
「僕だってそんな化《ばけ》の皮が、永久に剥《は》げないとは思っていない。が、
剥げるまでは、その化の皮を大事にかぶっていたいんだ。この心もちは君に通じないだろ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の金魚の肌へ何か薬をぬりつけて、一時を誤魔化したものに相違ない。その薬がだんだん
剥げるにしたがって、金魚は弱って死んだのであろう。そんな騙りめいたことをして済む....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
跡も発見されなかった。あれ程の毒を拭かずにおけば、今朝迄にはワニスが変色するか、
剥げるかしていなければならぬ筈である。 私はちょっと失望した。 私はこうして....
「魔像」より 著者:蘭郁二郎
中の、健康な娘の死体から、何時か赤黒い腐液が、じくじくと滲みだし、表皮がべろっと
剥げると、そこには盛上った蛆虫が……。藍紫色に腐った臓器や肉塊が、骨からずるりと....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
吉は手早く、鶴治の掌の中に光っているものを引浚った。 「嫌んだ! この銭は、皮が
剥げるもの。」 「ほだべさ。その銭は、※疹になったどき、身体中の皮が剥げだべ? ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いちずに共鳴感奮してみたものの、この問題をあんまり深く追究されると、自分の焼刃が
剥げることの怖れから、冗談に逃げていたのを、また引戻されて押据えられる苦しさに、....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
おいけません。私のこの白木の机だけは、天然自然の生地のままで、どんなことをしても
剥げるということがありません。」 「だって、」と澄子は微笑みながら云った、「あな....
「おせん」より 著者:邦枝完二
見識とでもいうのであろうか。足が不自由であるにも拘らず、四十に近い顔には、触れば
剥げるまでに濃く白粉を塗って、寝る時より外には、滅多に放したことのない長煙管を、....
「縁談」より 著者:佐藤垢石
せしたに違いない。 私は妹さんの顔を見た。森山さんと、瓜二つである。丸い顔に、
剥げるかと思うほど厚くつけた白粉が、額から流れ落ちる汗に二筋、三筋溶けて、蚯蚓の....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
い内はよくよく気を付けて強い火の処へ置かないようにして段々に使い込まないと琺瑯の
剥げる虞《うれい》があります。西洋でも琺瑯鍋の使い方はむずかしい者と申す位です。....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
うさえあった。それで近頃はただの丸石をころがしておく代りに、うすくて幅広い、よく
剥げる石のある地方では、これを採ってきて、いちめんに敷きつめ、又は柾板にまじえて....