副う[語句情報] »
副う
「副う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
副うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
生命保存のために種々の運動をなすように作られている、意識はかくの如き本能的動作に
副うて発生するので、知覚的なるよりもむしろ衝動的なるのがその原始的状態である。然....
「旅愁」より 著者:横光利一
何んとなく今は空虚な流れを伴って感じられた。それは誰でも迂濶に一度は云い、誓いに
副う感傷をひき立てる表情になるとはいえ、云ったがために歓びよりも、苦しみを生むこ....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
の事情を全部、率直に打ち明けて下され、このような状態であるから、とても君の希望に
副うことのできないのが明白であるのに、尚ぐずぐずしているのも本意ないゆえ、この際....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
君は萎えうらぶれている。……以前のあのうち羽振く鶏鳴の勢いは皆無だ。剣刀身に佩き
副うる丈夫の面影は全くなくなってしまった。 清原 (急に心配そうに)石ノ上……。....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
花は筒をなした萼から出来ていて、それに一花柱ある子房と四つの雄蕊《ゆうずい》とが
副うて一個の花を組み立っている。すなわちその萼は筒を成していて口部すなわちいわゆ....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
記録のひとしく記するところ。源頼朝、征夷大将軍に任ぜられて、これを討伐す。名実相
副うものなりといわざるべからず。しかして鎌倉の記録たる『吾妻鏡』、また実に陸奥・....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
うも虚妄にあらじと肯わる。ただ窟の内のさまざまの名は皆強いて名づけたるにて、名に
副うものは一もなし。 窟禅定も仕はてたれば、本尊の御姿など乞い受けて、来し路な....
「大会を終りて」より 著者:中井正一
る血管の音を、自分の中に聞いたことを意味するのである。 「論理」と「現実」により
副うかぎり、私たちに孤独がないことを、私たちははじめて知ったのである。 大会を....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、悪人にも害を加えず、
その上潔白で欺かず、沈著で偽らなかったら、
上の御意図に
副うわけで、必ずお気に入りましょう。
ただこの胸の中をお見抜下されば、それだけで....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
けである。これがもし東京の現象であるならば、やがてはまた普及しかつ新たなる解説が
副うことであろう。大よそ一通りこの事情が伴っていての上ならば、それを観察している....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
方を壁で囲うて、出入口を一方に設け、他は小窓があるくらいに過ぎないから、通例壁に
副うて木材を立て、それに葦簀や薦の類を縛りつけてそれで取り囲むのであるが、江畑君....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
になると、自然に物を語りまた歌舞せざるを得なかったものと思われる。いわゆる神気の
副うた女人は、昔も今も常に饒舌で、またしばしば身の恥は省みずに、自分しか知らなか....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
あります。機会は正に到来しております。平和的に到来しております。ただ彼らはこれに
副うべき実力を伴わず、特殊部落とか新平民とか云う様な、何ら侮蔑の意味のない名称に....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
模範部落」と改めても、いやしくも区別すべき或るものの存する間は、到底彼らの希望に
副う事は出来ぬ。その失敗の実例は近く朝鮮に存する。朝鮮にはもと才人・禾尺などと云....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
るが、然し此場合の教訓は誨淫の書といわれる人情本を勧善懲悪などというよりも名実相
副うものであろう。全篇悉くイソップ物語から取ったのではなく、中には明白に『世説』....