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副え
「副え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
副えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
旧套を襲いて在来の異神の神林をそのまま耶蘇教寺の寺林とし、もってその風景と威容を
副えおる所多し。市中の寺院に神林なく一見荒寥たるは、地価きわめて高く、今となって....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
田長政等も、各々順序を以って陣構えした。 先陣宗茂の部将小野和泉は、我に一将を
副えて前軍と為せ、敵の斥候隊を打破ろう。斥候が逃げれば後続の大軍動揺するであろう....
「運命」より 著者:幸田露伴
縛し獄に下さしむ。 帝黄子澄の言を用い、長興侯耿炳文を大将軍とし、李堅、寧忠を
副えて北伐せしめ、又|安陸侯呉傑、江陰侯呉高、都督都指揮盛庸、潘忠、楊松、顧成、....
「雁」より 著者:森鴎外
が近いからと云って、篠竹を沢山買って来て、女郎花やら藤袴やらに一本一本それを立て
副えて縛っていた。しかし二百十日は無事に過ぎてしまった。それから二百二十日があぶ....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
は、陽が銀箔のようにあたっていた。 白鞍置いた馬、白覆輪の太刀、それに鎧一領を
副え、徒者数人に曳き持たせ、正成は天王寺へ参詣し、大般若経転読の布施として献じ、....
「旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
、母の名前でこっそり十円、別に小豆だの小麦粉だのを、親爺さんには言わんといて、と
副え書きして送ってくれました。どうせ店にある品故、こうして時折り送りたいとは思う....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ゃ、黙って居るのは聴いてくれぬか、お浪さんも我の云うことのわかったならどうぞ口を
副えて聴いてもらっては下さらぬか、と脆くも涙になりいる女房にまで頼めば、お、お、....
「古事記」より 著者:太安万侶
の女神の身體中《からだじゆう》に生じた雷の神たちに澤山の黄泉《よみ》の國の魔軍を
副えて追《お》わしめました。そこでさげておいでになる長い劒を拔いて後の方に振りな....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
て)そうさなあ。…… マリーナ退場。 アーストロフ (間をおいて)僕の馬車のね、
副え馬のやつが、どうやらびっこを引いているんだ。きのう、うちの馭者が、水を飲ませ....
「熊」より 著者:神西清
馬舎へ行って、うちの馬にカラス麦をやるようにそう言え! ええこの野郎、また左の
副え馬が、脚を手綱にからましてるじゃないか! (口まねをして)なあに平気でがす。....
「三国志」より 著者:吉川英治
信じる。将軍霊あらば、孔明の不才を扶け、漢朝の末流たるわが三軍の困兵に擁護の力を
副え給え」 すると一人のあやしげな老翁が杖にすがって彼方の岩に腰をすえ、丞相こ....
「山の人生」より 著者:柳田国男
物を遣ると口の中で唱え言をするが、何をいうのか少しも聴取れない。飯は両手に受けて
副え物もなしに、髯だらけの顔をよごして食う。酒は大好きで、常に一斗二三升も入るか....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
。それからなお多くの府県を見渡しても、今日のいわゆるスズメのために、特に接頭語を
副えて他の小鳥と区別することを必要としたらしい形跡は幾らもある。その著しい例を拾....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
を論じた文中に、簡単に及んでおいたことであったが、今この雪国で薦の類を家の周囲に
副え立てて、壁を防ぐの設備をしているのを見て、縛壁は席をもって壁に著くる物だとい....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
もう食う物なりや否やをさえ知らぬ。多くの人は見たことも無いであろう。これを進物に
副える習慣は、昔は厳重に守られていたが、次第に型ばかりとなってノシは画紙ばかり大....