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割る
「割る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
それから権助は二十年間、その医者の家に使われていました。水を汲む。薪《まき》を
割る。飯を炊《た》く。拭き掃除《そうじ》をする。おまけに医者が外へ出る時は、薬箱....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
》なく死地へ追いこんで行った。いや、彼は数合の内に、ほとんど一気に相手の頭を斬り
割る所まで肉薄していた。するとその途端に甕《かめ》が一つ、どこからか彼の頭を目が....
「或る女」より 著者:有島武郎
までにぜひとも立ち会いに来るようにとしたためたのだった。いくら気丈夫でも腹を立ち
割る恐ろしい手術を年若い少女が見ていられないくらいは知っていながら、葉子は何がな....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》の名や刻みたるべし。 馬車はこの怪しき美人をもって満員となれり。発車の号令は
割るるばかりにしばらく響けり。向者《さき》より待合所の縁に倚《よ》りて、一|篇《....
「赤外線男」より 著者:海野十三
でしまう。つづいてガチャンガチャンと大きなレンズが壊れて、頑丈なケースが、薪でも
割るようにメリメリと引裂かれる。私は胆を潰しましたが、ひょっとすると、これはこの....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
老いた夫婦の者が一行を迎え入れた。 やがて浴室の煙突からは白い煙が立上り、薪を
割る斧の音が辺の樹海に冴え冴えと響き渡る。けれどもそれから二時間としないうちに、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
業中に騒ぐのは勿論、運動時間にはさんざんに暴れまわって、椅子をぶち毀す、窓硝子を
割る、他の生徒を泣かせる、甚だしいのは運動場から石や瓦を投げ出して往来の人を脅す....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
んこらさ、と攀上った若いものがある。 駅夫の長い腕が引払った。 笛は、胡桃を
割る駒鳥の声のごとく、山野に響く。 汽車は猶予わず出た。 一人|発奮をくって....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
出の節は、まんいち運よくかの鏡にひと目でも出逢う時があったらば、その時すぐに打ち
割るために、いつも身には短い重い鉄鎚をつけていた。彼にとっては、彼女に逢うことは....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
頭は頑丈な骨組みの頸によって支えられ、その男性的な手は胡桃割りを持たずとも胡桃を
割ることが出来そうであり、横から見ると誰でもその袖幅が馬鹿に広く出来ているのや、....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
……あとは、むにゃむにゃ。 (5)ですか、貴下が本当に助け舟をお求めなさるのは。
割る数も商も皆、穴で、手がかりがないとおっしゃいますか。なあに、これもやさしいで....
「兜」より 著者:岡本綺堂
に出来ていたのか、あるいは斬った者の腕が鈍かったのか、いずれにしても兜の鉢を撃ち
割ることが出来ないで、金兵衛のあたまは無事であったという事がわかった。 「まった....
「取舵」より 著者:泉鏡花
、矗立して水先を打瞶りぬ。俄然汽笛の声は死黙を劈きて轟けり。万事休す! と乗客は
割るるがごとくに響動きぬ。 観音丸は直江津に安着せるなり。乗客は狂喜の声を揚げ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
け薪割は大好きだと申しまして………無心で打ち降す斧が調子よく枯れた木体をからっと
割る時の気持ちの好さは無いなど申しまして」 「昼間がそれで、読書や書きものなど夜....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
どの自信とうぬぼれを持ってみよと教えたのでございましょう。母は度々、竹をスパッと
割るように、私の心機を一変してくれることがありました。その時は、「人形つかひ」の....