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「割れ目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

割れ目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
も、もっと大きい力が、砲弾に砕《くだ》かれた塹壕《ざんごう》の、ベトンとベトンの割れ目から緑の芳草《ほうそう》となって萌え始めた。砲弾に頂《いただき》を削り去ら....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ろう。いやもっと気をつけて見るなれば、その空樽を支えた壁体の隅が縦に裂けて、その割れ目に一つの黒影が滑りこんだのを認めることができたであろう。 そこは隠された....
地球盗難」より 著者:海野十三
虫の棲んでいるサイカチの木が六、七本あることを二人は知っていた。甲虫は、その樹の割れ目から流れだすジャムのように甘い赤味のある汁を吸って生きているのだった。 「....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の民も、蝎と聞けば恐れて逃げる。 蝎も南京虫とおなじく、人家の壁の崩れや、柱の割れ目などに潜んでいる。時には枯草などをたばねた中にも隠れている。しかも南京虫と....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
から、必要のときに空気を出して吸って生きている。そしてさっき話したように、空気が割れ目などを通って地面の外へにげることをおそれ、地表と地中との交通路は、空気をな....
怪星ガン」より 著者:海野十三
見えるものが現われたのである。 「なんだろう。やっぱり棒かな」 「棒ともちがう。割れ目のようでもある」 「割れ目? なんの割れ目」 「割れ目ができて、となりの空....
火星探険」より 著者:海野十三
して、しきりに大空をのぞいていたがね。塔の屋根が丸くて、そして中で機械をまわすと割れ目が出来、そこからでかい望遠鏡がにゅっと出るのさ。ところが、そこの研究所は今....
怪塔王」より 著者:海野十三
先は、機関をどんなにうごかしてみても、びくとも艦はゆるがず、そのうちに軍艦の底の割れ目から海水がはいってきて、大きな艦体は、舳を上にして傾いてしまいました。 ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
と覚しきあたりに焼け煉瓦を置き、その上に名刺を赤い五寸|釘でさしとおし焼け煉瓦の割れ目へ突きたてようとしたが、割れ目が見つからない。 「あのゥ、こっちの煉瓦の方....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
に一筋の川となり、みるみるうち倒れているセルカークを押し流してゆく。すると、壁の割れ目をじっと見ていた折竹の目が、とつぜん、輝いてあっと馳せよったのだ。そこから....
博物誌」より 著者:岸田国士
ら穴へ、時間ぎめの出張教授。 〔Le Le'zard〕 私がもたれている石垣の割れ目からひとりでに生れて来た子供のように、彼は私の肩に匍い上がって来る。私が石....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
沈下する。沈下は必らず徐々に間歇的に行われるが、坑木がむっちり挫折し始め、天盤に割れ目の生ずる際に、その異様な鳴動が聞えるのであった。謂わば崩落の前兆であるその....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
屋のすぐそばに大きな納屋があり、教会にしてもよいくらいだった。どの窓からも、どの割れ目からも、農場でとれた宝物がこぼれ出そうだった。そのなかでは朝から晩までから....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
も、ここより登りたることなし。さすがの嘉助氏もここよりは登らず。よしよし、楼閣の割れ目の沢を登らば、登られぬことなしと見当を付け、昨日の一行に、榊原与七郎氏とい....
黒い人と赤いそり」より 著者:小川未明
ものでありません。みんなは、たまげた顔つきをして、足もとを見つめていますと、その割れ目は、ますます深く、暗く、見るまに口が大きくなりました。 「あれ!」と、沖の....