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割増
「割増〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割増の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
らぬ事、博奕《ばくち》をしてはならぬ事、隣保相助けねばならぬ事、豊作にも小作料は
割増しをせぬ代りどんな凶作でも割引は禁ずる事、場主に直訴《じきそ》がましい事をし....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、それで大騒ぎをしたわけだった。間に合わぬと知ったので、最後の手段として円タクを
割増金つきで急がせることにより、ようやく時刻ぎりぎりに滑りこんで、セーフと相成っ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
といえばチベットに居って一年も働かなければ得られない給金だ。しかし仕事が豪いから
割増をしてこれだけ遣るのだ。その上にもまた酒代が欲しいのか。酒代は遣らぬとはいわ....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
人・又者等を除外した数であるから、実際上の帝国臣民の数は、さらにこれよりも数割の
割増しを見る必要あるべく、かくて明治五年に至って、三千三百十一万の統計を見るに至....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ハッハッ、それにしては」 若侍は横を向いた。 「安すぎますて、五両の日当」 「
割増ししましょう、七両ではいかが?」 「まだ安い。駄目だ駄目だ!」 「あッ、なる....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
でも出掛けて行くように。乗合自動車も、円タクも、人力車もT町迄だと、市外と同じ「
割増し」をとった。――こゝは暗くて、ジメ/\していて、臭くて、煤けていた。労働者....
「接吻を盗む女の話」より 著者:佐左木俊郎
を六時か六時半まで社に残るのだった。別に仕事はしなくてもタイム・レコードで居残り
割増金をくれることになっているからだった。 鈴木三枝子は、昼の仕事をなるべく残....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ようと試みていた。 諸物価騰貴と共に、諸大名が旅も困難になった。道中筋の賃銀も
割増し、
割増しで、元治元年の三月からその年の二月まで五
割増しの令があったが、さら....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
めの人馬二十五人二十五匹以外の不足は全部雇い上げとし、賃銭はその月の十四日から六
割増と聞こえているくらいだ。各国公使はこの陸よりする途中の混雑を避けて、大坂|天....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
のである。 私のところの経験によると、人は緊張すれば一時的には、平常の働きの五
割増くらいまでの仕事をすることが出来るが、それ以上を望めば必ず失態を生じ、またそ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
から、私はこの労に酬いるため福袋を頒つ事に致しました。その方法は平日の売上高の二
割増を境として、この福袋線を超加した日を福袋デーと定め、当日の売上高の二分を分配....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
寒さと尿量 寒い時に三時間運動せずにいると尿酸の排出量が平日の五
割増す。しかし筋肉を運動させていれば一割強くらいしか増さぬ。これに反して暖かに着....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にいないからです。それで、頭割りをする役割は、当人の主張の無いのに、当人に代って
割増しを主張するほどの好意はないから、常人足並みの労銀が、組の者に托して与八に向....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らないが、世にいわゆる才色兼備の婦人などといっても、才の方はとにかく、色の方は大
割増がしてあるのを通例とするのに、玉蕉女史に限って割引なしの美人でしたから、白雲....
「斗南先生」より 著者:中島敦
心得ているぞと言った風な、いかにも満足げに見える伯父の顔つきを。恐らく、伯父は、
割増一人ごとに二十銭と書いてあるのを何処かで見たのでもあろうか。 それから一月....