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割引
「割引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
。それが皆、眠《ね》の足りなそうな顔を、陰気らしく片づけている。寒い。――そこへ
割引の電車が来た。
こみ合っている中を、やっと吊皮《つりかわ》にぶらさがると、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ならぬ事、隣保相助けねばならぬ事、豊作にも小作料は割増しをせぬ代りどんな凶作でも
割引は禁ずる事、場主に直訴《じきそ》がましい事をしてはならぬ事、掠奪《りゃくだつ....
「星座」より 著者:有島武郎
、夜着を深く被った。そして眼をつぶって、じっと川音に耳をすました。そこから何んの
割引もいらぬ静かな安息がひそやかに近づいてくるようにも思いながら。
その夜はし....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
までやって来たことだから、若い女なら一応誰でも美人に見えるはずであったが、そんな
割引をしないでも、たしかにかの女は美しかった。 「誰だい、あの遅刻組は」 僕は....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
▲電車のお客様の大多数は我々階級のものである。我々以下の労働者の為めには特に
割引車というものがあるから乗客の大多数は我々階級のもの、即ち既に市から掃出された....
「金属人間」より 著者:海野十三
、いらっしゃい。入場料はびっくりするほどやすい。たった三十円です。こどもさんは大
割引のたった十円」 観音堂《かんのんどう》のうらにあたる空地《あきち》に、本堂....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
大曲馬団超満員御礼大興行と、長たらしい名前の旗を出し、「お礼のため、特に料金は二
割引」とわけのわからぬ但し書をつけたが、これがまた大当りと来た。一座は、波間に沈....
「転機」より 著者:伊藤野枝
権利に何の差別があろう? だのに、なぜ、ただ無知だからといって、その正しい権利が
割引されなければならないのか? 恐らく、それに対する答えはただ一つでいい。どんな....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、近頃は地方の方が夏帽になるのが早い。セルロイドの目金を掛けている。 「ええ、大
割引で勉強をしとるです。で、その、ちょっとあらかじめ御諒解を得ておきたいのですが....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
して、彼女から亭主を寝とった君や神近は、自分等の考えの進みかたのえらさによほどの
割引きをして反省しなければならないとともに、なお保子の態度について物を言う時には....
「露肆」より 著者:泉鏡花
の外音声を痛めておりやすんで、お聞苦しゅう、……へい、お極りは五銅の処、御愛嬌に
割引をいたしやす、三銭でございやす。」 「高い!」 と喝って、 「手品屋、負け....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
にのみ拠ろうとするのは、妥当を欠く非難を免れまい。では菊池寛の作品には、これらの
割引を施した後にも、何か著しい特色が残っているか? 彼の価値を問う為には、まず此....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
んなのを対手にした人情のあらわし方だか、男勝手にはちょっときめにくい。ただしどう
割引をした処で、二十二三は女盛り……近ごろではいっそ娘盛りといって可い。しかも著....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
本名用う可らず(仮名に限る) ○仮面用マスク使用のこと ○マスク販売(本日大
割引) ○午後十二時限り(会員はこの限りに非ず) 私はマスクを一つ買いました....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
浅草方面の得意先へ届け、帰りに原料の紙を運んでくる。私は早く起きて、朝七時までに
割引の往復切符を買って、段ボールの大きな荷物を背負い電車に乗る。しまいには荷物が....