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割当て
「割当て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割当ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
自分が先に立って苦労する。敷地の買上、その代価《ねだん》の交渉、受負師との掛引、
割当てた寄附金の取立、現金の始末まで自分に為《さ》せられるので、自然と算盤《そろ....
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
合力によってであって、骨相学者たちはこの力を本源的能力と想像して別の器官をこれに
割当てている(これは誤っていると私は信ずる)のであるが、この力は他の点ではまるで....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
とになる。仮に何らの化学作用が起らないとしてみても上記の値の八一%は加熱のために
割当てられ、一九%だけがわずかに外方への輻射として残ることになる。もっともここで....
「河明り」より 著者:岡本かの子
娘は、この亀島川は一日の通船数が三百以上もあり、泊り船は六十以上で、これを一町に
割当てるとほぼ十艘ずつになると云ったが、今日はそういう河容とは、まるで違ったもの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
とが更に翁の依頼をうけて二幕ずつを分担して執筆することになった。筋は無論、翁から
割当てられたもので、自分たち二人はほとんどその口授のままを補綴したに過ぎなかった....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
際にも不拘、大内裏の造営は企劃され、諸国の地頭に二十分の一の得分をその費用として
割当てて居る。其上、朝令暮改、綸旨は掌を飜す有様である。今若し武家の棟梁たる可き....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
まで目を円くした。 間もなく、木曾福島からの役人衆も出張して来て、諸団体休泊の
割当ても始まった。本陣としての半蔵の家は言うまでもなく、隣家の伊之助方も休泊所に....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
こに住んでいた五カ年のあいだ、私は、自分自身と他の十八人か二十人ばかりの生徒とに
割当てられた小さな寝室がどんな遠く隔たった場所にあったのか、はっきりと確かめるこ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
べて県へ報告しようじゃないですか、そうすれば、あの屋敷一軒だけで、県からこの村へ
割当てしてきた部屋の広さは十分にあると思う」 北岸に賛成したのは吉見だった。こ....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
と外にだれか一人、隣の室には婦人連、そして向かい側の大部屋にはその他の大勢という
割当てであったが、その大部屋はまるで動物園のおりよろしくで、皆が鉄ごうしにつかま....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
智蒙昧な誤算だけで、しかもそれを糊塗するに、言論や批判の自由を断圧して、身勝手な
割当てを強要するだけのことであろう。 ★ 私は敗戦後の日本....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
まで今日は痛めたので、行燈の光さえ眼眩しいところから、宿直の人を残して、いずれも
割当てられた部屋部屋へ引下った。 お次の間には老女笹尾が御添寝を承わり、その又....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
て五十銭を取るのであるから、平土間一間が一円八十銭に相当するわけで、それを五人に
割当てると、一人分の観劇料がわずかに三十六銭である。その当時と今日とは、金の値の....
「城」より 著者:カフカフランツ
にします」と、Kはいった。「でも、まるで天から降ってきたようなものなんです。この
割当てはひどく思慮を欠いたものです」
「思慮を欠いたことなんか、ここでは一つだっ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
力三は山梨県、三宅正一は新潟県、川俣清音は秋田県というように、それぞれ分担地区を
割当てられ活躍したものである。これらの諸君が後年、故郷でもないそれらの分担地区か....