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「割方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

割方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の絵看板を、見とれておったれば、スルスルと腰から盗みとられたとなり。このほう、三割方、キリョウおちたるうえに、男が好きそうな下町っ子なり。雨なれば、呼ベド叫ベド....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
二本だ。拙者の発明では、そこへもう一本殖やして、三本にするのだ。人間の働きは、五割方増加する。どうです、すばらしい発明でしょうがな」 自画自賛――という字句は....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
は商売人一流の誇張に過ぎた文面かと、復一は多少疑っていたが、そうでもなかった。二割方の値上げをして売出した金魚は、たちまち更に二割の値上げをしても需要に応じ切れ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
あった。体操の教師は呼び掛けて、 「もう漬物ですか」と聞いた。 「今やりやすと二割方得ですよ」 荒い気候と戦う人達は今から野菜を貯えることを考えると見える。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に限らない。すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の有無では約二割方、仕立上りの値が違う。ところで小座敷、勿論、晴れの席ではない、卓子台の前へ、....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
が多く、何となく円朝は上品、燕枝は下品であるかのように認められたのは、彼として一割方の損であったかも知れない。燕枝は明治三十三年二月十一日、六十八歳を以て世を去....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
数ありましたが、諸条件の全部にピッタリ合うものがなく、ややムリをして合わせても七割方合わせる可能性のものすらもないのです」 「東京市の行方不明者ですね」 「そう....
千人針」より 著者:寺田寅彦
出で立って行けば、勝負事なら勝味が付くだろうし、例えば入学試験でもきっと成績が一割方よくなるであろう。務め人なら務めの仕事の能率が上がるであろう。 一針縫うの....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
なったのである。 すると有難いもので店の売上げは日に日に上向き、間もなく二、三割方の増加を示すようになった。こうなると五ヶ条の最後の一つ、国元の養蚕収益から支....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ることにした。その時三割引いたという餅屋の品を調べて見たところ、いつもの品より三割方だけ軽い。先方も安いからこそ繁昌している店、そう普段利益をあげている筈はない....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
た。 私たちの店は今も申す通り、大きい店の袖にあった跳ね出しの店です。この方が割方安くてかえって都合がよろしい。大分、もう売って行ってほとんど出盛りのテッペン....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
股の前にも伴毛が長い、胴は短くつまって四足細く指が長く歩く時はしなしなする。頭が割方大きく見ゆる。そうして眼は今申す通り度はずれ大きく、どんよりして涙を含んでい....
鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
である。こんなわけで、一本鈎で釣った鯛よりも、カズラ網で捕った大鯛の方が、三、四割方は安いのである。 鯛を買うと、私はすぐ腹を割ってみた。それは、いまの鯛はな....
眼鏡」より 著者:織田作之助
「それ見なさい。あんまりひとのことを……」 「しかし、僕のお嫁さんの容貌は、三割方落ちても、なおこのくらい綺麗なンだからね。凄いだろう?」 兄はしゃあしゃあ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
女一人で叶いっこがありますか。どうせ叶わねえので見りゃ、怪我なんぞなさらない方が割方でございましょう、威張ったって婦人だ、何をし得るもんですか。ねえ、」 「はい....