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「割烹店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

割烹店の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デカダン抗議」より 著者:太宰治
無く、思うことそのまま行い得る美しい勇気があったのである。後で知ったのだが、その割烹店は、県知事はじめ地方名士をのみ顧客としている土地一流の店の由。なるほど玄関....
おしゃれ童子」より 著者:太宰治
なふるまいは、つねに最も高尚な趣味であると信じていました。城下まちの、古い静かな割烹店へ、二度、三度、ごはんを食べに行っているうちに、少年のお洒落の本能はまたも....
十五年間」より 著者:太宰治
すが、父の達者な頃は、前橋で、ええ、国は上州でございます。前橋でも一流中の一流の割烹店でございました。大臣でも、師団長でも、知事でも、前橋でお遊びのときには、必....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
無いゆえ、桜湯を」 「け、けちなことを申されずに、ここを、こう参ると、亀清と申す割烹店が御座る。ほ、両国へきて、亀清を知らん仁でもあるまい。それでは、お歌が惚れ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
知るところである、如何に材料が新鮮優良でも料理の手一つで活かしも殺しもすればこそ割烹店《かっぽうてん》というものが広大な構えをして、成立って行くのであるが、同時....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
貞五郎氏はその祖父や父や兄なる人は私の旧知であったのだ。会の場所は四条烏丸の角の割烹店で京都風の鰻の蒲焼を食べたのもちょっと珍らしかった。この一泊した木村氏の宅....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
》見物としゃれ、万梅《まんばい》――浅草公園|伝法院《でんぼういん》わきの一流|割烹店《かっぽうてん》――で食事をし、歌舞伎座見物の帰りは、銀座で今広《いまひろ....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
りがたいことに、腰肉を大樽に一樽贈ってくれた。 これを友達数人と、道玄坂のさる割烹店へ提げ込んだが、ここでは残念なことに、船で食べたような調理の旨味をだしてく....
香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
を知ってその味を含み分けるところに、食道楽の嗜趣を認め得ると思う。それは、都会の割烹店に座して美女の接待にのみ、味覚を働かせたのでは望み得ない。旅にまかせて、諸....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
と思った。 それに味をしめて、それからは東京であっちこっちとすっぽん専門の割烹店を尋ねて歩いたけれど、料理の方が拙いのか、材料が劣っているのか、京都で得た....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
たれりとばかりその試食会へ駆けつけた。集まっている人々の顔ぶれを見ると市内有数の割烹店の主人、待合の女将、食通、料理人組合の幹部といった連中で、どれもひとかどの....
食堂」より 著者:島崎藤村
時の縁が、新七とお力夫妻とを結びつけ、震災後はその休茶屋に新しい食堂を設け、所謂割烹店でなしに好い料理を食わせるところを造り、協力でそれを経営するようになって行....
インチキ鮎」より 著者:北大路魯山人
八、九年の好況時代のことだ。日本橋手前のある横丁に、大あゆで売り出した春日という割烹店があった。これは多分に政策的な考えからやっていたことであるらしい。ところが....
春心」より 著者:田中貢太郎
、呼べ」 揉あげは手をたたいた。そこは池上本門寺の丘つづきになった魁春楼と云う割烹店の離屋で、崖の上になった母屋から廻廊がつづいて、それが崖に倚ってしつらえた....
料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
容を指すのであろう。料理は国を料理するでもいい、人間を料理するでもいい。だから、割烹店の場合は、さかなを料理する、蔬菜を料理するの意が当てはまる。 要するに、....