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割竹
「割竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
張らしい大仏を造ったことがある。それも製作技術の智慧からではあるが、丸太を組み、
割竹を編み、紙を貼り、色を傅けて、インチキ大仏のその眼の孔から安房上総まで見ゆる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
イナ
押し合い、へし合いしている、その前後左右に出没して、また別な頑童共が、
割竹を持って地面《じべた》を打叩きながら、噺し立てている。それが風俗年中行事であ....
「子規自筆の根岸地図」より 著者:寺田寅彦
離が昔はもっと遠かったような気がする。もちろん思い違いかもしれない。ただ向う側の
割竹を並べた垣の上に鬱蒼と茂って路地の上に蔽いかぶさっている椎の木らしいものだけ....
「鶏」より 著者:森鴎外
る。鳥屋は別当が薄井の爺さんにことわって、縁の下を為切って拵えて、入口には板切と
割竹とを互違に打ち附けた、不細工な格子戸を嵌めた。 或日婆あさんが、石田の司令....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
ているが、旧南部領の獅子は短き双角を附した獅子頭をかぶり、別に長さ数尺に及ぶ細き
割竹に、櫛歯形に切り目を入れた紙を巻き、その数条を放線状に束ねて背に負っている。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
からのものとは思えない程の所で、まずその拷問法の一つ二つをいいますと、先に言った
割竹で指の爪を剥すとか、あるいは石で拵えた帽子を頭に載せるという仕方もある。それ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
炎である。 向い隣の煙筒掃除のお爺さんも死んだ。朝五時から晩の八時頃まで、長い
割竹の先にしゅろうのささらをつけて、ヒョコリヒョコリ歩いていたお爺さんが死んだ。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たせなかった。上泉伊勢守の門で考案したという韜という物を使っている。革のふくろに
割竹をつつみこんだ物である。鍔はない、革の棒だ。 ――ぴしいッっ。 撲ること....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。 「打てっ」 床几へつくと、すぐその役人は厳しい声でいった。すると、先刻から
割竹を持って後ろに屈んでいた二人の小者が、躍り出して、 「一イっ、二ウ……。三イ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たら? ああ江戸の時分になる。 ――と、すれば。 数寄屋橋の原で、奉行所衆の
割竹の下に、莚をならべて、共に百叩きに会ったあげく、西と東に放たれたあの時は――....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ていた村もあった。『温故之栞』(巻十)にはこの国の水田生産のことを記して、以前は
割竹五六本を木の台に立て列ね、稲を七八|茎ずつ挟んで扱いた故に、丈夫一日の辛苦を....