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「割膝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

割膝の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
忘れて六畳に――中には抱合って泣いているのもあるので、惣助一人三畳の火鉢の傍に、割膝で畏って、歯を喰切った獅噛面は、額に蝋燭の流れぬばかり、絵にある燈台鬼という....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
笛を吹いてですな。」 「畜生、怪しからず身に染みる、堪らなく寒いものだ。」 と割膝に跪坐って、飲みさしの茶の冷えたのを、茶碗に傾け、ざぶりと土間へ、 「一ツこ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
職というわけじゃないんだよ。」 となぜか弱い音を吹いた……差向いをずり下って、割膝で畏った半纏着の欣八刑事、風受けの可い勢に乗じて、土蜘蛛の穴へ深入に及んだ列....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
きに酒の燗して、片手に鼓の皮乾かしなどしたる、今も目に見ゆる。 手の利かねば、割膝にわが小さき体|引挟みて、渋面つくるが可笑とて、しばしば血を吸いて、小親来て....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
らぬ顔を見まわし、 「こんどは、なにか、妙な騒ぎがあったそうだの」 部屋頭が、割膝《わりひざ》でそそり出てきて、 「いや、どうも、馬鹿な騒ぎで……。為と寅のお....
三枚続」より 著者:泉鏡花
一銭、二十五銭、三十銭、可いかい。」 「へい、可うございます。」 愛吉は神妙に割膝で畏り、算盤を弾いている。間を隔てた帳場格子の内に、掛硯の上で帳面を読むのは....
式部小路」より 著者:泉鏡花
て、目と口を一所に、むッ。突当ったように句切りながら、次第ににじり込んだ框の上。割膝で畏まって、耳を掻いて頸を窘め、貧乏ゆすり一つして、 「へへへ、口の悪いッち....