割込む[語句情報] »
割込む
「割込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
割込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
た/\》の手には蛇の目の傘を持ち、高足駄《たかあしだ》を穿《は》いた儘両人の中へ
割込むと、 士「此奴《こやつ》中々出来そうな奴だ」 と云いながら刀を抜うとす....
「舗道」より 著者:宮本百合子
とてもそこまでは行きませんな。何しろ得意がああいうものはきまっているから、そこへ
割込むのが大変だ」 ミサ子は、太田が十年余も大ブルジョア企業の中に働いていたの....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
古本屋の主人で、M氏とは至って懇意な仲だった。 古本屋の主人は、脚本作者の側に
割込むと、ちょっと頭を下げて皆に挨拶した。そして懐中からぺちゃんこになった敷島の....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
、その政治の奔命に疲らされて革新の精力などは消磨されてしまう、そこへ外国の勢力が
割込むと云う様な事になった日には維新の事業どころではない、国そのものが半属国のよ....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
心だと思っていると、そうじゃない。夜が明けると来るわ来るわ、後へ並ぶ人間より前へ
割込む人間共がはるかに多い。 オバサン、こっちよ、私たちの隣組、こゝよ、と言う....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ながらかかる地はすでに有名なる豪商等の占むる所となっていて、地方出身の人の容易に
割込むことの出来るものでないから、初めは第二流、第三流の中心地を見立て、ここに城....
「魔都」より 著者:久生十蘭
席の方へ進んで行き、朝日新聞の隣の席に座を占めようとしたが、元来朝日の隣に夕陽が
割込むなどということは有り得べき筈はない。たちまち駈け寄って来た幹事に猫吊しに吊....
「面会」より 著者:織田作之助
た。ラッパの勇しい響きと同時に、到るところで、××君万歳の声が渦をまいて、雨空に
割込むように高く挙った。その声は暫く止まなかった。整列、点呼が終った。またしても....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
が、すぐ正面は小さいながらも壁をなし水が滴っていてちょっと厄介に見えたので、左に
割込む細いリンネの方へ廻り、それから右上へと登路をとる。暫く登りその上に出て、本....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
とを覚えた。梯子段の二、三段を一躍《ひとと》びに駈上《かけあが》って人込みの中に
割込むと、床板《ゆかいた》の斜《ななめ》になった低い屋根裏の大向《おおむこう》は....