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創傷
「創傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
創傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
な惨酷な手を加える者はない筈だった。――一郎は、不審にたえない面持で、もう一度|
創傷を覗きこんだ。その結果、彼は屍体の頸部に恐ろしいものを発見した。恐ろしい人間....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ロリと欠け落ちて、それも灰のようにひしゃ潰れてしまうのだった。しかし、左肋骨には
創傷の跡が残っていて、明らかにそれは、算哲の遺骸に相違ないのだった。
「算哲はや....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
にて発見したる年の頃三十四五歳と見受けらるゝ男の死骸は何者の所為にや総身に数多の
創傷、数多の擦剥、数多の打傷あり背などは乱暴に殴打せし者と見え一面に膨揚り其間に....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
旧の念には責められたくない。昔を憶出せば自然と今の我身に引比べられて遣瀬無いのは
創傷よりも余程いかぬ! さて大分熱くなって来たぞ。日が照付けるぞ。と、眼を開け....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
たは、切り傷、皮膚のあれによろしく、土用なるは毒けし、虫よけに用いる。 されば
創傷唇のあれに寒べに附けたるを見る如く、夏の手料理にこの色ざしを好み、手足の爪に....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
此の方へ届けん、自身|手込に打擲するという事はない、人を打つてえ事はない、殴打|
創傷の罪と申して刑法第二百九十九条に照して其の方処分を受けんければならんじゃない....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
及ばない。ゆすぶってはいけないのだ、安静に寝かして置いた方がいい、もともと外部に
創傷のある出来ごとではないのだし、長いあいだ病気で弱っていたという身体でもないの....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るかなしかだが、白足袋を履き紫襴の袈裟をつけた所には、流石争われぬ貫録があった。
創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であって、それが非....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
潤さない。その行為はたいていいつも部分的で断片的である。当てもなしに歩き回って、
創傷を見出すに従って包帯してゆくがようなものである。通例あまりにつつましくて慌《....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いて、何か棒状のもので掻き上げたような、跡を留めているのだった。即ち、以上四つの
創傷に就いて、その生因を瞼の裏に並べてみると、てっきり首尾を異にしているとしか思....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の胸に残っておりました掻き傷とを比較調査いたしますと、その間隔は二・一センチで、
創傷道に極めて特徴のある創壁を作り、有明荘のそれと同一の状況を呈していたのであり....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
あった。それは、腸の内部が洗ったように綺麗だったことと女の下腹部内臓に加えられた
創傷は、薬物による昏睡状態に在るのでなければ、何人も決して耐え忍ぶことの出来ない....
「恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
ヘララは直ちに右眼を失ったが、傷いた左眼も数日後潰れてしまった。妹は諸所に火傷や
創傷を受けたが、生命には別条なく、老人オファレルはその時その室に居なかったので災....
「ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
るであろうと想像されるのが厭で厭でならぬのだ。 だから、僕は縊死はやめた。又、
創傷を造って死ぬのは痛いから厭だ。で、僕は毒薬死を選ぶことに決したのである。 ....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
てたちまち一面の猛火を起こしたのである。推定三万の人が命を失い、十余万人が重軽の
創傷を負い、さらに放射線による原子病患者は数限りなく発生せんとするのである。空中....