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創痍
「創痍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
創痍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
窟はない。同様にランニングを学ばないものは大抵人後に落ちそうである。すると我我も
創痍《そうい》を負わずに人生の競技場を出られる筈《はず》はない。
成程世人は云....
「百物語」より 著者:森鴎外
出来たのではあるまい。そうして見れば飾磨屋は、どうかした場合に、どうかした無形の
創痍《そうい》を受けてそれが癒《い》えずにいる為めに、傍観者になったのではあるま....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
空襲を、太平洋と亜細亜大陸両方面から、挟み打ちの形で受けようとしている。既に満身
創痍の観ある日本帝国は、果して跳ねかえすだけの力があるだろうか。 建国二千六百....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
」の折の氏の執拗さだ。氏が自分から私に押したあの時の執拗さに反発され、それが氏に
創痍を残していることが想像される。 一週間ばかり前のひるすぎ、麻川氏と私の話は....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
しい芸術運動の二つの異った潮流が、澎湃として文壇に漲って来たなかに、庸三は満身に
創痍を受けながら、何かひそかにむずむずするようなものを感じていた。今まで受け容れ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のの情愛を思い知ると共に、この子の母としてのお君という薄命な女のために、新たなる
創痍《きず》を胸の中に呼び醒《さ》まされて涙を呑みました。 お松という子の珍し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きわ》まって、助けを呼んだあの時の名残《なご》りであります。
衣服の方の満身の
創痍《そうい》は、もう誰かの心づくしで、すっかり癒されている。そこで道庵先生がい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
征服されるという意地であってみると、もはや我慢ができない。お銀様は易を読みながら
創痍満身《そういまんしん》になりました。 「ああ、これは読み直さなければならない....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、長煙管でヤニさがって、それから腮《あご》を撫でていると、あとからあとからと、
創痍満身《そういまんしん》の姿で聯合軍が引上げて来る。そのあとから仲どんが、衣裳....
「三つの挿話」より 著者:堀辰雄
暫《しばら》くじっとその場に立ちすくんだきりでいた。そうして、母の死が私に与えた
創痍《そうい》も殆んどもう癒《いや》されたように思い慣れていたこんな時分になって....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もの智慧もいかして行かないと、私はすり切れてしまいますからね。いろんな面で何かの
創痍《きず》がさけられないのならば、最も肉のあつい部分でそれをうけなければなりま....
「三国志」より 著者:吉川英治
原書は支那流に描写している。初夏、麦を踏んで意気衝天の征途につき、涼秋八月、満身
創痍の大敗に恥を噛んで国へ帰る将士の気持としては、あながち誇張のない表現かもしれ....
「三国志」より 著者:吉川英治
に意を達するにいたらなかった。 しかし魏延の軍も大損害をうけたし、王平軍もまた
創痍満身の敗れ方だった。四日目の朝、やっと敗残の兵をまとめて、 「この上は、列柳....
「雪の日」より 著者:近松秋江
り物にせねばならぬまでにあさましくなりはてたとは、自分でも信じられない。 この
創痍多き胸は、それを想うてだに堪えられない。この焼け爛れた感情は、微かに指先を触....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
、進んだ今のアイヌ語学の目から見れば、もうその人たちの著書は、欠陥だらけで、満身
創痍、辛うじて余喘を保っているにすぎない程度のものなのであります。それが今だに世....