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劇中
「劇中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劇中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
記憶しているが、私は、いまだったら、観客席から、やにわに立ち上り大声あげて、その
劇中の好人物に教えてやる。注意しろ! おまえは一週間以内に、どろぼうに見舞われる....
「新生」より 著者:島崎藤村
、それから若い時代の娘の心で自分の家に来ているというだけでも慰めになる節子をあの
劇中の娘に比べて見た。三年の独身は、漸《ようや》く四十の声を聞いたばかりで早老人....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
畑上嘉伝次(村長) 伝吉(博徒) 小烏風呂助(小相撲) 穴隈鉱蔵(県の代議士)
劇中名をいうもの。――(白山剣ヶ峰、千蛇ヶ池の公達) 三国岳の麓の里に、暮六つの....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
が、確か自分を知っている。 心着けば、正面神棚の下には、我が姿、昨夜も扮した、
劇中|女主人公の王妃なる、玉の鳳凰のごときが掲げてあった。 「そして、……」 ....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
かと考えると胸がつぶれる思いだ。なんという気の毒な人よ。春山唐七。その人こそは悲
劇中の悲劇的な人だ。お奈良さまは思わずすすりあげて、 「なんとも、おいたわしい。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
★ 宇佐美通太郎は、妻の語る現実の悲劇を、そして、その悲
劇中の一人物の語る言葉を科学者の注意深さで、熱心に耳にとめ、心にとめようと努力し....
「秘伝の名訳」より 著者:岸田国士
を見て感じた深い印象を、再び瞼に浮べ、耳に聴き入りながら、あたかも時あつて、この
劇中の小唄を人前で口吟むように、氏は悠々、嬉々として翻訳の筆を進めたにちがいない。 名訳以上の快著である。....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
たものだが、もともとは、女優|陶孔雀に捧げられた讃詩なのである。 現に孔雀は、
劇中のホレイショに扮しているのだが、この新作では、ホレイショが女性であって、ヴィ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
つけ、しかもそれを劇と見せかけて、実はカメラを移動させれば、観客席も同時にうつる
劇中劇映画であり、おまけにカメラを動かしている作者が舞台で役者と共に演じている作....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
生命たる仮面の製作には実に驚くべき斬新の美が創り出された。 能面は物まね演技の
劇中人物を表現すべきものであるという条件が、その製作者をして勢い活世間の人間の面....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
て、もとより知れようはずがなかった。 復讐、それは誰に向って遂げようもない。悲
劇中の悲劇であった。終には世の中を呪い出した。人間を呪い出した。別して若い男、若....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
るものぞ。ただしその頃は、私に台本、戯曲を綴る気があった。ふと、演出にあたって、
劇中の立女形に扮するものを、路之助として、技の意見、相背き、相衝いて反する時、「....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
各自の新聞紙上で堂々と論議するがよい。批評は善悪ともに諸君の自由である。しかし観
劇中にむやみに騒ぎ立てて劇の進行を妨害し、あわせて他の多数の観客に迷惑をあたえる....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
勤め、東京の観客を驚かしたり。 ○九月、新富座にて新作「漂流奇談西洋劇」を上演。
劇中劇として、外国の男女俳優一座を登場させたるが、甚しき不評に終りて莫大の損失を....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
れなかった。これ等の犯罪的天才は大抵は小説の主人公になり、更に又|所謂壮士芝居の
劇中人物になったものである。僕はこういう壮士芝居の中に「大悪僧」とかいうものを見....