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「劇毒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

劇毒の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
がある。と僕は思ったんだ。ところが鈍器で殴り殺すとか、又は刃物で突殺すとか、或は劇毒で殺すとか、とにかくそうした手段で即死させるんだったなら、なにもあんなに縛り....
光と風と夢」より 著者:中島敦
ファエレに聞くと、「あの薬は使い方一つで、一家|鏖殺《おうさつ》位、訳なく出来る劇毒薬で、昨夜は少し利き過ぎなかったかと心配した。自分のほかに、もう一人、此の島....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
林田の死んだあとで、さだ子の部屋から警察に引上げられた紅茶の茶碗の中には果して劇毒が発見された。 彼が自殺した翌日、藤枝は再び警察に現れて前日説明し残した点....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
界からイキナリ、暗い飼育室に来たもんだから梟みたいに何も見えない。何ともいえない劇毒薬の蒸発するような動物臭が腸のドン底まで沁み込んで行く。世界の終りかと思える....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
ている範囲では多分支那産のもので、『婆鵲三秘』という書に載っている『魚目』という劇毒らしい。実物を手に入れた事がないから分析的な内容は判然しないが、強いアルカリ....
蝱の囁き」より 著者:蘭郁二郎
女に、半ば脅迫的に最後の針を刺した。その絹糸針を五本たばにしたぼかし針の先きには劇毒××がつけてあった、君も知っているだろう、その××は血液の凝固性を失わせる薬....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
行に移しうるものはほとんど見つからなかった。たとえば亜砒酸鉛を使用すればいいが、劇毒であるから注意を要するとあるが、その注意のしかたは一言も書いてないから、この....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を除き諸方の原野山林沼沢湖海雑多の場所に棲み大小形色動作習性各同じからず、中には劇毒無類で人畜に大難を蒙《こうむ》らするもあれば無毒ながら丸呑みと来る奴も多く古....
十二支考」より 著者:南方熊楠
及んで多少鶏に似たものとなりしが、なお蛇王の質を失わで冠を戴くとされた。最後には劇毒ある蟾蜍《ひき》の一種と変った。初めはアフリカの炎天下に棲《す》んで他の諸動....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
手を出して、毒を仕込み置いたる茶を立てて氏郷に飲ませた、と云われている。毒薬には劇毒で飲むと直《じき》に死ぬのも有ろうし、程経て利くのも有ろうが、かかる場合に飲....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
兵のあるのを恐れたからだ。味方の負傷者を調べて見るといずれも傷は浅かったが、鏃に劇毒が塗りつけてあるので負傷者はのた打って苦しがる。そしてだんだんに弱って行く。....
冒した者」より 著者:三好十郎
ません。舟木もそうなんです。舟木は、どういうんですか、さっきからしきりと薬品棚の劇毒剤の整理をはじめています。今まで夜中にあんな事したことは無いのです。……恐ろ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
り。これ一《ひとつ》は生梅あるいは不熟の李《すもも》等には時として青酸といえる大劇毒のあるに因る。青酸毒は一滴を吸入しても人をして昏倒せしむ。青酸中毒は速《すみ....
三国志」より 著者:吉川英治
曹操へすすめた。 埋伏の毒を嚥ます――という意味は、要するに、甘いものに包んだ劇毒を嚥み下させて、敵の体内から敵を亡ぼそうという案である。 「さあ。それは最上....