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力にする
「力にする〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力にするの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
心を誘惑すべき何物をも彼女は有《も》たなかった。唯《ただ》叔父を頼りにし、叔父を
力にする娘らしさのみがあった。何という「生」の皮肉だろう。四人の幼い子供を残した....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
りにしてからに、お前という枝に懸っている。お前が折れたら、私はどうなるぞい。私の
力にするのはお前、お前より外には無えのだぞよ」 老の涙はとめどもなく母親の顔を....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
ウムになおすために発生する力は、水素をヘリウムに直した場合の約十万倍であって、馬
力にすると百三十億馬力となって私らでは到底想像することのできない悪魔のような巨大....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
の名を騙り、名古屋へこっそり這入り込み、部下の一人を花作りとし、城中の人々を無気
力にするため、まず阿片を進めて置いて、それから城中へ堂々と入り、金蔵を破ろうとし....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
は、留任運動をおこしたくなるのは当然だし、留任運動をおこす以上、少しでもそれを強
力にするために、血書を書いたり、全校生徒に呼びかけたりするのも当然だ。また、朝倉....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
病菌はこれからいくらでもはいって来るものだと覚悟して、その覚悟のもとに、病菌を無
力にする工夫をこらすほかに道はない。むろんそれは、厄介なことではあるさ。しかし厄....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
してから退散したこともありうる。それは彼らが今日に至って反証をあげても、それを無
力にする理由となりうる。 しかし泥足の証人がないということは、彼らが泥足であっ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
か。決してそうではない。斯う云う粗雑な虚偽は、アルコオルと同じように、民衆を無気
力にする催眠剤である。麻酔剤である。吾々が芸術に持たせたいと思う娯楽の力は、精神....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
で亡くなっているのです、これは後で判ったのですが、そんなことを知らない私は、もう
力にする者はその老人一人だと思いまして、母の亡くなった後のあとしまつは、一いち老....
「山の人生」より 著者:柳田国男
なってから、山中の母ばかりが管理をすることとなったのであろう。この想像を幾分か有
力にするのは、ウブメ(産女)と称する道の傍の怪物の話である。支那で姑獲と呼ぶ一種....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
くよりほかに方法がない。江馬さんが飛騨で得られた事実も史料の一つであるが、是を有
力にするにはなお多くの状態を、比べ合わせて見なければならぬ点が、少しばかり厄介な....