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力む
「力む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
誰が沖へ出てベソなんか。」 と肩を怒らして大手を振った、奴、おまわりの真似して
力む。 「じゃ、何だって、何だってお前、ベソ三なの。」 「うん、」 たちまち妙....
「運命」より 著者:幸田露伴
、師を帥いて北進し、遂に北平を囲みたり。北平の李譲、梁明等、世子を奉じて防守甚だ
力むと雖も、景隆が軍|衆くして、将も亦雄傑なきにあらず、都督瞿能の如き、張掖門に....
「失敗園」より 著者:太宰治
な。これでも奥さんのお気に入りなんだからね。この実は、俺の力瘤さ。見給え、うんと
力むと、ほら、むくむく実がふくらむ。も少し
力むと、この実が、あからんで来るのだよ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
踏んで叫喚したという。 真面目な人なのである。銭十一文を川に落して竜宮までもと
力むのも、無理のない事である。残りの二十六文を火打袋におさめて袋の口の紐を固く結....
「連環記」より 著者:幸田露伴
事で何の不思議もないことであった。牛は力の限りを尽して歩いている。しかも牛使いは
力むること猶足らずとして、これを笞うっている。笞の音は起って消え、消えて復起る。....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
あろう、にッたりと緩めて居た顔つきは稍々引緊って硬ばって来たが、それを打消そうと
力むるのか、裏の枯れたような高笑い、 「ハッハッハ。其通り。了休がまだ在俗の時、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
て、 「姉え、何んでも構わん、四五人|木遣で曳いて来い。」 と肩を張って大きに
力む。 女中酌の手を差控えて、銚子を、膝に、と真直に立てながら、 「さあ、今あ....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
めずとも深かるべし、ただわが言うべきを言わしめたまえ、貴嬢のなすべきことは弁解を
力むることにはあらで、諸手を胸に加え厳かに省みたもうことなり、静かにおのが心を吟....
「探偵小説とは」より 著者:坂口安吾
理小説は本来がそんな風にして作られるのが一番似合っているのだ。文学だの芸術などゝ
力むところのない、軽快な、小憎らしいゲームなのである。つまり百パーセント、理知的な娯楽品なのである。....
「恋愛論」より 著者:坂口安吾
みにしかすきでないような物たりなさがあるから、しかたなしに、とてもすきなんだ、と
力むことになる。 日本の言葉は明治以来、外来文化に合わせて間に合わせた言葉が多....
「理想の女」より 著者:坂口安吾
書きつゞけられた作品ではない。まだしも西鶴は八百屋お七を書いてゐる。 大袈裟に
力む必要もない。大文学、大長篇である必要もない。さゝやかな短篇で、たとへば、メリ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
るということであります」 新十郎は例になく奇妙な前説をつけ加えた。彼がこれほど
力むのは、よほど犯人の手際に感服したからだろう。 「この事件の結び目をとく手がか....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
とわかって来るはずである。今時まだ日本画の画具でどうしても写実を完成してみせると
力む人もあるが、そういう人は画家ではなく発明家の部類に入るべき人で、もしその人が....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
りませんか。」 「愛吉、笑うというのにね、」 「いえさ、ですから、誰が、」と直ぐ
力む。 「でも何ですよ、この辺じゃ不思議がりますよ。 私もね、ありようは持って....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
保護されたる私に法王殿下の保護を与えられて、共に仏教の光輝を世界に輝かさんことを
力むるは、実に仏教徒たる者の最大義務にあらずや。私は大いにこの事を希望して已まん....