力一杯[語句情報] » 力一杯

「力一杯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

力一杯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
は高飛びの身構えをしました。 「レデー・オン・ゼ・マーク……ゲッセット……ゴー」力一杯|跳《は》ね上がったと思うと、僕の体はどこまでもどこまでも上の方へと登って....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
きて行く上に、無くてはならぬものであるのを知る。その時に私は勇ましい。私の前には力一杯に生活する私の外には何物をも見ない。私は乗り越え乗り越え、自分の力に押され....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
をされても何ともないほどの薄情女かと、立っている吉弥の肩をしッかりいだき締めて、力一杯の誠意を見せようとしたこともあるそうだ。思いやると、この放蕩おやじでも実が....
深夜の市長」より 著者:海野十三
したのか出て来ないんです。なにかにくっついているようなんです。うーン」 と僕が力一杯、引出そうとするのを見ると老人は、 「おっとおっと待った。人生無理をするな....
白蛇の死」より 著者:海野十三
張った腕を持ったが、勿論脈は切れていた。 「国ちゃん、一寸胸を開けて」 青年が力一杯襟をはだけるのを待って、土岐は心持ち顔を赤らめながら、お由の乳房の下へぴた....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
飛びついて、両腕をグッと捻じあげた。学士は捻じられながらも、いきなり大尉の脇腹を力一杯 「ウン!」 と蹴とばしたが、この時遅し、大尉は素早く、身体を左に開いた....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の奴だ!」帆村が躍りあがって叫んだ。 「なに、ウルフかッ」大尉は叫んだ。「後藤、力一杯ブレーキをかけて左側の水田の中へ自動車を入れろッ」 そう命令すると、大尉....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
た。こうなってはもう誰の救いも要らない。愛する弟のために、この一身を投げだして、力一杯相手の胸許にぶつかるのだッ。 「さあ来いッ」 彼は一チ二イ三ンの掛け声も....
火薬船」より 著者:海野十三
腕にあつめて、ハルクの太ももをしばった。 「うーむ」 さすがのハルクも、竹見が力一杯にしめつけたので、気が遠くなるような痛みに、うなった。 「これでいいか」 ....
怪塔王」より 著者:海野十三
下そうとしているのでありましょう。 丸太ん棒がみしみし鳴りだしました。鉄の檻が力一杯丸太ん棒を圧しつけ、これをくだこうとしているのです。 しかし丸太ん棒です....
転機」より 著者:伊藤野枝
中に、飛び込んでゆきたいと思うのだった。そのムーブメントの中に飛び込んで行って、力一杯に手ごたえのある事をして見たいと思うのだった。自分のもっているだけの情熱も....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
思った通り快い返事をした。 「おお、押してくよう」 良平は二人の間にはいると、力一杯押し始めた。 「われは中中力があるな」 他の一人、――耳に巻煙草を挟んだ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
に近寄って行った。傍へ行くと、やにわに子供の喉首をつかんだ。……私は喉を締めた。力一杯締めつけた。子供は怖い眼で私を睨んだ。何という眼だろう。まん円で、深く、澄....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
女の、優い眉が屹としまると、蓑を入れちがいに砂堤に乗って、海の方から御坊の背中を力一杯どんと圧した。ずるずるずると、可心は川の方へ摺落ちて、丘の中途で留まった。....
活人形」より 著者:泉鏡花
けて下さい。そうでなくば、私を殺して早うお傍に連れて行って下さいまし、よ、よ。と力一杯|抱緊めて、身を震わせば人形もともにわななくごとくなり。 泰助は見るに忍....