力及ばず[語句情報] »
力及ばず
「力及ばず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力及ばずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
》社を合併せしより、漁夫大いに怒り、一昨夏祭日に他大字民と市街戦を演じ、警吏等の
力及ばず、ついに主魁九名の入監を見るに及び、所の者ことごとく合祀の余弊に懲《こ》....
「明暗」より 著者:夏目漱石
み愛の満足を感ずる通りに、負けるのが嫌《きらい》な津田も、残念だとは思いながら、
力及ばず組み敷かれるたびに降参するのであった。この特殊な関係を、一夜《いちや》の....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
口で、とッつかまると、男は女の帯の間へ手をつッ込む。そうさせまいと、悶いても女の
力及ばずと見たのだろう、「じゃア、やるから待ちゃアがれ!」みずから帯の間から古い....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、どうしても学校を続けられない事になり、石子刑事も、いろ/\尽力してみたが、遂に
力及ばず、岸本青年はとうとう中学を中途で廃業して、聖書販売人になったのだった。彼....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
風の日、そなたの事だけは、妙に思い出されてならなんだ――もしや、若気のいたりで、
力及ばずと知りながら、野望《のぞみ》に向って突進し、累卵《るいらん》を巌壁《がん....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
に狂ほしき心地と相成り候ひしを、亡き夫人の妹くれがし氏、いろ/\に介抱し侍りしが
力及ばず、遂に夫人と同じ道に入り候ひぬ。その時妹のくれがし氏は、その狂へる人の胤....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
々門下の責務である。吾々が親しく翁より相伝した斯道の純志であり真面目である。その
力及ばず。その能到らず。茲に翁の霊前に叩頭して罪を謝し、大方の高助を得て翁の像を....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
も致し方無く、公方、管領の御職位、御権威は有っても遂に是非なく、たたき切ろうにも
力及ばず、公方は囚われ、管領は御自害、律儀者の損得かまわずは、世を思切って、僧に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ごんごどうだん》、かかる不運なるところへ来りて候《そうろう》ものかな、この上は
力及ばず、いでいで最後の勤めをなさん」 あたりから調子が少し変になりました。唄が....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
て、孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺の古道具屋を見歩いたが、いずれも高直で
力及ばず、ようよう竹町の路地の角に、黒板塀に附着けて売物という札を貼ってあった、....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
まで怒りの声、伯母はハイと手紙を取りて兄へ渡すに伯父がそれ渡してはと争いかけしも
力及ばず、本家の父|劇《あわただ》しく手紙を読み下し「ナンだこの手紙は。お代の事....
「三国志」より 著者:吉川英治
のがれ給い、玉車に塵をこうむること二度、しかもわれら、草莽の微臣どもは、憂えども
力及ばず、逆徒の猖獗にまかせて現状に至る――という状態です。ただ、ただ今も失わな....
「鬼」より 著者:吉川英治
それについて、まるっきり嘘もいえないので、碇ヶ関の附近で主水の姿を見かけたが、
力及ばず討ち洩らしたと答えたので、津軽出羽守は、よけいにその腑甲斐なさを怒って、....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
ば、銃をすてて熊に抱えつき雪の上を転びて、谷へ下る。連の男これを救わんと思えども
力及ばず。やがて谷川に落ち入りて、人の熊|下になり水に沈みたりしかば、その隙に獣....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
て硝子の水槽の中に養わざる限りは、常に西海の珊瑚暗礁の底深く隠れ、銛も刺網もその
力及ばず、到底東部日本の雪氷の地方まで、我々に追随し来る見込はないのだが、独りカ....